結果

『難経』は仏教の身体観を包含していた
―『難経』における身体観の量的分析



【実際】



■脉処は人身の一小天地
第一難:脉処は人身の一小天地:黄老の基本
第六十一難:寸口に臓腑の病が現れる:表裏相応:黄老の基本

■診脉部位の分類
第二難:寸関尺の配分:黄老の基本:位置の陰陽
第五難:菽法:黄老の基本:位置の五行
第十八難:六部定位脉診:黄老の基本:陰陽と五行
第十九難:男女の常脉:黄老の基本:男女の陰陽

■脉位を超えた動きの評価
第三難:病脉と死脉:黄老の応用:生死の陰陽
第二十難:陰陽はその位置を越えて侵す:黄老の応用:動きの陰陽
第十二難:虚々実々の害:黄老の応用:動きの陰陽

■脉状の評価
第四難:六祖脉 浮沈・長短・滑濇:黄老の応用:形の陰陽
第六難:浮沈の診脉:黄老の応用:形の陰陽
第九難:遅数寒熱を診る:黄老の応用:状態の陰陽

■診脉からみえる身体観
第七難:一年の王脉:素朴な運気論:讖緯学説
第十五難:四季の脉:胃の気の優位性:黄老の応用:生の基本
第十難:一脉十変:さらなる細分化も可能:黄老から讖緯学説へ
第八難:腎間の動気:仏教の基本:生の根本
第十一難:腎気先に尽きる:仏教の応用:死の根本
第十四難:根の優位性:仏教の応用:生の基本

■四診の中での脉診の位置づけ
第十六難:四診合参が大切:黄老の応用:五行から一へ
第十三難:脉診と他の診察法との関連:黄老の応用:五行の内外
第十七難:脉診の優位性:黄老の応用:死生の基本
第二十一難:脉と呼吸:黄老の応用:生の内外







【目的】『難経』の身体観の量的分析

【背景】『難経』には仏教と讖緯説という新たな身体観が包含されている

【方法】難経脉診における身体観の量的な比較

【実際】詳細は附録資料を参照のこと

【結果】黄老道の身体観を中心とし、仏教の身体観をも多く取り入れている

【考察】仏教に基づいた身体観の大いなる飛躍が『難経』の特徴

【派生的考察】『難経』が開いた仏教の身体観は日本で開花した

【用語解説】黄老道・讖緯説・仏教

  注1:『道家思想の起源と系譜』―黄老道の成立を中心として―

  注2:魏書 釈老志

  注3:後漢書 巻四十二 光武十王列伝 楚王英伝

  注4:『難経』が書かれた時期は紀元後100年前後

  注5:仏教の伝来時期とその身体観:楚王英とその周辺を中心に

  注6:左腎右命門を臍下丹田と解するのはなぜか

  注7:『不老不死の身体』

参考文献:使用している『難経』の主な版本











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