耳門〔耳の病〕




一、耳は腎の主るところである。

腎が虚すると耳が聞こえ難くなり耳鳴りがしてくる。

左の耳が聞こえ難いものは胆の火が動じたものである。

右の耳が聞こえ難いものは色欲によって相火が動じたものである。

両耳が聞こえ難いものは胃火による。

両耳が腫れて痛むものは腎経に風熱があるためである。

両耳から膿が出るものもまた風熱によるものである。

一、耳が聞こえ難いものには、聴会・迎香・三里を用いるとよい。

一、耳鳴りがするものには、頬車・迎香・百会を用いるとよい。

一、耳が痛むものには、耳門・肝兪・章門[脇髎]・頬車・風池を用いるとよい。







一元流
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