一、女性は十四歳になると生理となり、男性は十六歳になると陽の精が出てくる。これはともに陰陽の数に合致して起こる。
人々に夫婦関係があるのは、天と地があるようなものである。天地の道とは陰陽が和合して男や女を生み出すことにある。
このために女性はまず生理が順調にならなければならない。
生理が順調になると病気になり難くなり、病気になり難くなると妊娠することができる。一、女性の病気は、気が盛んになりすぎて血が虚するために起こることが多い。
生理が、早くなったり遅くなったり、多くなったり少なくなったり、二月を過ぎてもこなかったりするものを生理不順と言う。
普段よりも生理が早く来るものは、血が減って熱があるのである。
普段よりも生理が遅くなり、生理時に痛みがあるものは、血が減って寒えているのである。
生理前に痛むものは血が実して気が滞っているのである。
生理後に痛むものは気血の虚である。
長いこと生理が来ず、腹の脇に塊ができて痛みを伴うものは、血が凝って癥瘕となったのである。
癥瘕とは女性の腹部にできる塊のことであり、積である。
崩漏とは血が急に大量に出る病気である。
帯下とは血が少しずつ長期間にわたって出るものである。
婦人で子供ができないものは、気血ともに虚していることが原因であることが多い。
太った人の場合は、内に湿痰が多いために身体中に脂肪が充満し、子宮を塞いだために子供ができないことがある。
痩せた人の場合は、火が多くて子宮が燥き、血がなくなったために子供ができないことがある。
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