小児門




一、小児の病を診る場合は、先ずその顔色を診る。

肝からその病気が出ている場合は顔色が青い。

心からその病気が出ている場合は顔色が赤い。

脾からその病気が出ている場合は顔色が黄色い。

肺からその病気が出ている場合は顔色が白い。

腎からその病気が出ている場合は顔色が黒い。

このようにどの臓から病気が出ているのかをよく観察し、さらに先天的な体質の強弱をよく考えて治療していくのである。

一、両足が冷えるときは傷寒である。

全身が冷えるものも傷寒である。

鼻が冷えるものは瘡や麻疹の類である。

耳の冷えは風熱である。

上熱下寒するものは食傷である。

一、男児は左手、女児は右手の、中指が冷えているものはできものである。

一、顔色が、

赤いものは風熱であり、

青いものは驚風であり、

黄色いものは肝積であり、

白いものは虚寒であり、

黒いものは腎が傷られ死ぬ危険がある。

一、三歳までの子供は、男児は左手の女児は右手の食指の筋を診る。これを虎口という。基節を風関・中節を気関・末節を命関という。

風関に現われるものは病は軽く、気関に現われるものは病は重く、命関に現われるものは治り難い。

一、紫色の筋が現われるものは熱、青いものは驚風、白いものは疳、黒いものは中が悪く、黄色いものは脾胃に問題がある。







一元流
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