痘瘡




一、小児の痘瘡が出そうなときとはどういう時かは判然としない。

一、腮(あご)も瞼も赤く、あくびやくしゃみをして驚き易く、耳の先端や手指が氷のように冷える。

一、赤い紙に反射させた明りで見て、皮下が赤く蚊に食われたようになっているものは質が悪い。

一、赤紫色に盛り上がって見えるものは、火が盛んで血熱しているのである。

一、盛り上がらずに灰白色でその頂上のところが窪んでいるものは、気血が不足している、虚寒の証である。

一、カサブタになるべきであるのにカサブタにならず、中脘付近に痛みを覚えるものは、熱毒が滞って・血痛となっているのである。

一、痛むものは実であり痒みのあるものは虚である。

足に少しできて、その根が赤く・下痢せず・咽が渇かず・乳を飲む量が減らず・手足が暖かで高熱を発しない場合は、薬を服用する必要はない。自然に癒える。







一元流
杉山流三部書 次ページ