暑熱






外因とされている六気は、風・寒・暑・湿・燥・火の六種類です。このうち暑と火を併せて述べます。 「火」は《三因極一病証方論》において「熱」とされており、その言葉の方が実態に合いますので、これを使用することとします。

暑と熱とでは、熱の方がその陽気の程度は強いということと、暑の時期は夏の盛りであるのに対して、熱はそれ以外の時期に用いる言葉であるということが異なります。

暑は夏の主気です。生命が世界に溢れかえる時期を主ります。生命がその生命を謳歌するとき、その速度が速すぎると自らの器を壊しかねません。そのため、器を保つために盛に余分な熱を排泄しようとします。それが汗や尿としてあらわれてきます。

自らの分を越えることによって他者との摩擦がおこって火が生じ、その火が自身の器を燃やしたりもします。

外邪として進入するとその侵襲速度が速く、器を破損しやすいため、ことに清代に入って《温病論》《温病条弁》等としてその病位を特定し治療する方法がまとめられました。これが衛気営血弁証と三焦弁証と呼ばれているものです。しかし歴代の《傷寒論》学派は、新たに論を作らなくとも《傷寒論》の解釈を変更するだけで対処できるとしています。

暑熱の邪は湿と結びついて、脱けにくい熱となります。これを湿熱と呼んでいます。











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