内寒






体内に寒がありそれが痼疾化して邪気となっているものを内寒といいます。

《素問・至真要大論》に『諸寒収引はみな腎に属す』とあります。ここで述べられている腎は、全身を温煦する腎陽の力のことで、これが弱ることによって寒邪を引き込まれるわけです。







内寒を引き起こす原因として、外寒の邪を引き込んだ場合や、冷めたいものを飲食することによる場合があります。

外寒の邪を引き込んだ場合は、いつも背中が寒かったり、人より寒がりだったり、風邪を引きやすかったりします。腠理が開いて肺の陽気が侵されている状態が続いているわけです。

また、大地から上ってきた寒邪が経絡を阻滞するものを寒凝気滞と呼びます。寒邪が経絡を阻滞しているのですが、阻滞された経絡はそれを通そうとして生命力をそこに集め、局所的な正邪の闘争を起こします。しもやけを起こすと、局所的に火照ったり痒くなったりするのはこのためです。

冷めたいものを飲食することによる場合は、すでに脾の陽気が弱っている場合で、軽い場合は水様便となり重くなると全身の冷えや倦怠感を伴うこととなります。留まっている寒邪によって脾の陽気が傷られていますので、消化吸収が悪くなってさまざまな変症を起こす基となる可能性があります。この寒が停まり続けると腎陽にも影響を与えて全身の冷えにつながる可能性もあります。

風とは異なり局所にとどまって経絡を阻滞し、陽気を奪います。











一元流