65歳頸部腰部痛弁証論治


65歳頸部腰部痛
病因病理






この患者さまは、主訴、首の痛み、腰痛です。

どちらも今回が初めてではなく首は55歳のとき一度受傷されており、 腰も61歳から起こり、64歳のときは一日中荷物を持っていた為痛みが 強くなった過去があります。

今回の症状がコルセットをしていると楽ということ、 前回の二つの症状の発症機転から これらは経絡経筋病に属するものと思われます。

しかし前回の症状が今回よりも早期で治癒していると仮定するならば、 今回の症状の背後(回復を遅らせている原因)には、臓腑の 問題が存在すると思われます。







回復を遅れさせている原因は脾腎の虚であると考えます。

その理由は半年程前より夕方から足がむくむ、夜寝ると両足のふくらはぎがつる という症状が出現している、 増悪因子の、季節の変わり目、肉体疲労時、睡眠不足のとき悪化、 味覚、口の粘り、食後に腹がはるといった症状から、この方の脾腎の弱りが伺えるからです。

特に以前の経絡経筋の損傷が治癒し、現在の症状が改善されにくいということ、 その間に夕方の足のむくみ、足がつる症状が出現したことから、この随伴症状は現在の主訴と 非常に関わりの深い変化であると思われます。







年齢とともに腎気が弱ってきており、それが脾にも影響しはじめた、 それにより、水湿の運化、気化が失調し、むくみが起こります。

湿が経絡経筋に停滞すれば経気の流れは通じにくくなりますので、 損傷しやすい、回復しにくい状況になります。

さらに気血の生成も低下しますので肝血が不足しやすくなり、 筋を栄養しにくくなることにより、足がつるという症状を引き起こします。

そして肝血不足により、肝欝が形成されやすくなるため、 気の流れはさらに悪くなり、上記の状態は悪化していくと考えられます。 これは現在の寝つきが悪いという症状からも、 肝の陰陽の失調が伺えます。

治療としてはまず脾を建て、続いて腎を補い経絡経筋の疎通をよくしていくことが大切だと考えます。

弁証:脾腎の虚

経絡経筋病


論治:健脾  補腎

上記を主とし、疎通経絡によりその効果を患部に影響させやすくする。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治











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