治療指針:生活提言


腰痛の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



もともとの素体は肝欝傾向にあると思われる。

これは、大学生の頃から肩こりがあったこと、32歳の頃は右肩甲骨を動かすと ゴリゴリ音がして瀉血で改善したこと、同時期に胆経の坐骨神経痛と思われる痛 みが生じていることから考えられる。

また、旅行に行くと腰痛が気にならなくなったり、大食になるなど肝気がゆるむ 状況が見られることからも普段の生活では肝気をはり肝欝傾向になっているとが 伺える。

趣味として行う釣りは、肝気を発散させ、好きなことをやるという精神の中心を 得やすい状態になるため、疲れにくくなると思われる。このため、北海道に釣り に行っている間は足も腰も気にならないのであろう。しかし、運動量が多く冷え るので、肉体的には腎気を損傷しやすい状況でもある。若い頃は、坐骨神経痛を わずらいながらも悪化せず、まだ器がこの、釣りによる肉体的負担を受け止めて いられたと思われる。







39歳の頃、転職して環境が変わるなど、肝欝によって腎気を損傷する出来事が あるが、これに加え、40歳になると、目が疲れやすくなるなど、加齢によるゆ るやかな腎の器のもろさが出始める時期となる。これに釣りによる肉体的疲労と 冷えが加わって、次第に腎気が落ちていくこととなる。そして、41歳でかなり ひどいぎっくり腰を起こした。この局所の損傷は回復できずに、この後2回ぎっ くり腰を起こしている。

その後、これといって目立った症状も出ずすごしていたが、49歳の独立、50 歳の自宅購入と地方への単身赴任などのできごとは、また肝欝により腎気を損傷 することになった。また、外食が増え太り始めたことにより、脾胃に負担が増え、 これが腎気落ちを促進することとなった。これに加えて、これまで釣りは自宅か ら出かけていたのが、単身赴任先から自宅に戻りそのまま釣りに行くという、さ らに肉体的負担が加わることとなった。

50歳夏に川へ落ち、腰を痛めた。これは1ヶ月くらい変だったが、なんとなく 回復している。同じ頃、仕事のストレスで肝気犯胃となり、胃痛が起こっている。 この胃痛は会社を辞めることにより、回復した。







51歳春に転職し、別の地方へ単身赴任する。間食をやめるなど、脾胃の負担を 減らすようにしたが、夜たくさん食べると朝もたれるようになったり、油ものが ダメになったりなど、脾気落ちが見られるようになった。これは、加齢による腎 の器のもろさと、釣りなどの疲労によって少しずつ進んだ腎気損傷が脾の陽気を バックアップできなくなったためと思われる。

半年くらい腰の調子は良かったようだが、釣りにはこれまで電車で自宅へ帰って から出かけていたものが、自分で運転して車で自宅に帰ってから出かけるように なり、これまでより腰への負担が増えることになった。

夏には水をたくさん飲んだほうがいいと思い(水を飲まないと血液がどろどろに なると聞いたので)無理にではないが飲むようにした。これは、脾胃に負担をか けることになった。脾胃への負担はさらに腎気を損傷することとなる。







52歳春には、その前からだんだん気になってはいた腰が仰向けに寝れないほど ひどくなってきた。お盆にはいつもなら北海道へ行くが、仕事の関係で行かれず、 東北へ行くことにした。いつものように車で自宅に戻り、今回は友達の車ではな く、往復夜行バスで出かけたが、この後くらいからだんだん腰痛がひどくなって きた。

夕方につらいこと、肉体疲労時に腰痛がひどいこと、朝起きて疲れが取れなくな ってくるなど、腎気落ちの傾向がみられるが、器がもろくなったとき、過去に怪 我をしてきちんと治療していなかった腰の部分に衰えが生じて腰痛がひどくなっ た可能性がある。

また、夕方になると足がむくむが、朝になると解消していることから、消化機能 をささえる腎陽が低下したため内湿がたまり始めたと思われる。腎の排泄機能は まだそれほど損傷されていないが、3時頃夜間排尿に起きることが時々あるなど、 若干その傾向が見られるようになっている。




弁証論治



弁証:腎虚
論治:補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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