病因病理:Y案


目眩 難聴の弁証論治
病因病理:I案




18歳、高校生の頃から感じていた体調の整わない感じ、だるい・やる気が出ない・風邪をひきそう という感覚があったが、この頃は、自分の中では 何か変 と思いつつも特に不都合もなく過ごせていた。頑張ればできていたので何をするのにも肝気を張っていたのかもしれない。そしてこの傾向はずっと続くこととなったように思う。







初めて大きく体調を崩したのは19歳、短大に入学してからの頃で、通学時間が増えたり、正しい値がでるまで終わらない実験やサークル活動にコンパと、勉強・遊びにも気力・体力を使い、肝気を張った生活を続けた。

この過労により気虚傾向となり、更に肝鬱も加わって脾気が損傷されたのではないか。そして夏の暑いある日、ひどい浮腫と四肢の火照りが出てくる。

これ以降多く脾の問題が多く出てくることからも、肝から脾に影響が出た最初の症状だったのではないか。この時既に内湿があり、夏の暑く湿度の高い気に刺激されて症状が出たのかもしれない。このことがその後の目眩やむくみやすさなどの不調へと続いていく。

23歳で一人目の妊娠をした。病院の方針で体重増加を厳しく制限されたのにもかかわらず、10㎏増えた(理想は6㎏まで)。産後疲れやすくなっていること、入院中の豪華メニューのせいもあり産後更に太ったことから、ここで脾気が弱ったものと思う。切迫早産、微弱陣痛などがあったことから、腎気も落ちたかもしれないが、二人目の妊娠までに回復していると考える。

2人目の妊娠では病院を変えた。体重に関してうるさく言われなくなったこともあり、16㎏もの体重増加となったことから、再び脾気が落ちたと考える。重くなった体を支えるのにも疲れてだるく、手足もぱんぱんにむくみ、2サイズ大きい靴もきつくなったが、産後にトラブルはなかった。産後1ヶ月ほどでほぼ元の体重に戻したが、その後母乳が足りなくなることから、脾気はあまり回復していないのではないか。寝不足もあり、体がだるいことはいつものことだったが、目眩は妊娠中から気にならなかった。

子供が大きくなるにつれ、睡眠不足も解消されるなど 少し楽になり、心身ともに多少ゆとりのある生活を送ることができるようになる。趣味と主婦の実益を兼ねて、おいしい食事とおいしいお酒のマリアージュを楽しみ、この頃より本格的に過食・過飲の傾向が続く。量・質ともに過剰な傾向の食生活を続けることで、水面下でじわじわと脾気が損傷され続けていたのかもしれない。







35歳の頃 徐々に体重が増え始め再び目眩を感じ始める。これまでは、仕事もせずストレスを避けていたためなんとかバランスを保ってきたかに見え大きな症状は出ていなかったが、長きにわたる美食生活に耐えてきた脾胃の機能がいよいよ落ち、湿痰が増え始めたのではないか。この頃よりだるさ、目眩、便がスッキリ出ると尿量が増えるなどの症状がぼちぼち出始めた。また、スクールに通うようになると、電車で立っていることや階段が辛かったりするのは発汗しないための不調と考え温冷浴で発汗を促した。サウナは苦手だったが、お湯につかるのは気持ちよかった。しかし失敗すると湯あたりして、汗が止まらず 心臓はバクバクして手足も痺れてうごけなくなった。うまくいくと少し内湿が捌かれることにより体が軽く楽になったが、失敗したときは気虚となっていったのかもしれない。

36歳で働き始める。専業主婦のそれまでと違って多少のことでは休めなかったり、思うように物事が運ばないストレスなどのため 肝気を張ることが増えた。内にたまった湿痰にその流れを阻害されることによりちらちらじーんとするような目眩を感じ始めた。しかし多少の不調はあるものの、ま、いつものことと気にせずに節制もせず肝気を張り続けたために、ついには腎気が虚して肝火を押さえられなくなり、27~28歳頃メニエル発作をおこした。







39歳で専門学校に入学してからは食事の時間などの生活が不規則となり、それまでほとんど食べなかったキャンディーやチョコレートなどの間食をするようになり、脾胃は養われることなく階段を下り続けることとなる。また試験のために肝陽が上亢し、それが橫逆して胃熱が盛んとなり食欲が亢進し、更に脾胃を痛め、更に湿痰をためる悪循環をおこしていた。この傷め続けられた脾気の弱さのために、汗をかきにくかったりむくみやだるさをはじめ、前のめりになるような目眩やジーンとする目眩など多くの症状がよく出てくるようになった。

そして風邪をひいたことをきっかけに、火逆して突発性難聴を起こした。この風邪で耳の器を傷つけてしまい、それを回復しようと気が集まって気滞となることから耳塞がおこり、上焦の気滞も強まるので目眩も更に頻発するようになってしまった。







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