治療指針:生活提言


風邪をひきやすく治りにくい弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



中学2年生の時、体操部の練習中に首から落ちて打撲する。強い打撲で内出血(瘀血)がおきるほどだったが、生命力が強かったため正邪の闘争により、瘀血と気滞が発生する。そして、生命力の強さで瘀血は身体に吸収され解消されたが、経絡経筋病が回復しきれずに気滞は残った。

また、練習やストレッチのやり過ぎで腰の部分が過労になり気虚がおこり、そして気の流れが悪くなり気滞がおきるようになった。

この腰痛は経絡経筋病の中でも気虚+気滞の腰痛である。中3の夏以降、部活を引退したため、腰の使い過ぎがなくなったことで腰痛は回復していった。 社会人になるまで、腰痛がおきていないことから中学の時の腰痛は完治したものと思われる。

中学3年の夏に部活を引退するが、その頃からニキビができはじめた。これは、受験、母子家庭という環境への反発、親子関係の悪さ、などから肝鬱が続き上焦に熱を持ったためだと思われる。

受験のプレッシャーが強く志望校のランクを下げる。そのことで、母親との関係も悪くなっていく。急にニキビがひどくなり、首肩の張りも強くなったことから、肝鬱が強かったと思われる。

高校~短大にかけて、新しい環境になるたびにストレスを強く感じていたこと、親子関係の悪さ、顔面部~上背部にかけてのニキビが悪化していたことから、より強く肝鬱を感じて、それが長期間続いていたので上焦の熱がさらに強くなっていったことが推測される。

高校と短大の違いは、部活動などがなくなり運動しなくなった・喫煙するようになった・アルバイトするようになり食生活が不規則になる・ダイエットをはじめる・より親子関係の悪化などがあげられる。

特に喫煙するようになったことがカガイとしての肺気を弱めてしまい、相対的に気逆を強めて上焦の熱を強めてしまったと思われる。

これは、喫煙を止めたことで顔面部~上背部のニキビが改善してきたことで推測できる。

このような、条件が重なり肝鬱、気逆となり、首肩こり、後頭部痛が起き易くなってきたと思われる。







社会人になると、新しい環境のストレスと学生から社会人になるという立場が変わることでダブルでストレスを感じるようになる。慣れない環境で肝気を張って頑張るため、肝鬱は強くなっていった。高校~短大~社会人と長期間の肝鬱が続き腎気が損傷されていく。また、ハイヒールを履いての通勤がよけいに腰に負担をかけるようになった。そのため、経絡経筋病+腎の損傷がからんだ、腰痛、坐骨神経痛がおきてしまった。

24歳の時、母の入院~死去~専門学校に入学するまでの間は、肝気を張り続け、肝鬱状態が続き、さらに腎気を損傷していったと思われる。肝気を張り続け、肝鬱状態が続いていたことで、首肩凝り、後頭部痛が頻発した。

25歳で鍼灸学校に入学して新しい環境になったことで、肝気を張ってがんばるようになった。

肝気を張ることで腎気を損傷するので、肺の後ろ支えをしている腎が虚することで肺が弱くなってきた。

また、大量の飲酒(母の死去後、だんだんと酒量が増加)とダイエットのせいで後天の器である脾胃の働きが低下することで、気血の生成不足になり、肺もより弱くなる。そして、肺が弱くなり衛気の不足がおきている。これは、通学電車の中でクーラーがきつく感じられ、一枚よけいに羽織らないとだめになってきたということから推測できる。







鍼灸学校に入学してから、また腰痛と坐骨神経痛がでてきた。

これは、鍼灸学校に入学することで腎気の損傷が拡大されたということ、電車通学で1時間弱同じ姿勢で座っているようになったので気の滞りがおこるということなどから、社会人のときにおこった腰痛と同じで経絡経筋病に腎の損傷がからんでおきているものと思われる。

26歳、鍼灸学校2年生になると、楽しかった学校生活も気力とやる気が無くなってきたが、これは腎が損傷しているのに、生活の節制もなく、変わらず頑張るために肝気を張る状態が続いてしまっていたので、とうとう腎が肝を支えきれなくなり「肝が中折れ」してしまったことによる。

このころから、頑張らなければいけないのに頑張れない状態に自分の中でうつうつとしていた。腎気の損傷から肝鬱が悪化する、肝気上逆する、また腎が損傷するという悪循環に陥る。

26歳ころから肝鬱による気滞血瘀がおきて、月経痛・血塊・排卵あとに浮腫・乳房緊満・イライラなどが起こってくる。







29歳の3月に第一子出産で産褥期に悪露の中に大きい血塊が排出されたこと、産後の月経血の中に血塊が少なくなったことから、出産により瘀血が落ちて、そして多くの瘀血が落ちたことで血液の流動性があがり子宮内、首肩の気滞が解消されるようになったと思われる。

そのため26歳ころから感じていた、月経痛・排卵あとに浮腫・乳房緊満・イライラなどが改善され、首肩のはり・こりの頻度が減っていった。

しかし、出産後に夫の転職、育児のため自分では働けず、と収入が不安定になり経済的な心配が大きくなっていった。

また、夫は育児に協力的でなく、寝不足もあり、産後1年くらいは心身ともに疲労状態にあった。

産後半年で母乳がでなくなった。母乳をあげなくなったので飲酒を始める。 このような状態であったために、産後の回復がうまくいかなかったと推測できる。







産後の年末に風邪をひいたことについては、

今までは風邪を引いても薬を飲むこともなく養生的なこと(禁酒するとか、ネギやしょうがを食べてからだを温めるとか)をするわけでもなく一週間ほどで治っていた。そのため、今までと同じ調子でいたら風邪が治らず咽喉痛が一ヶ月ほど続き、そのあげくインフルエンザにかかった。

産後の回復がうまくいかなくて脾・肺・腎の働きが悪くなっているのにもかかわらずに、風邪を引いても養生しないので、邪正闘争で脾・肺・腎が弱すぎて風邪から防御できず、また侵襲してくると追い出せずにどんどん奥に入り込んでしまう状態になった。風邪症状の咽喉痛が一ヶ月近く続いたのは、喉で邪正闘争を行われて、それにより熱が発生することで咽喉痛がおきてくる、そして、長引いた要因として①邪正闘争が長期化しているということ、②上衝に熱を持ちやすいので、(ⅰ)邪正闘争で発生した熱がより強くなる、(ⅱ)なかなか熱が鎮静しない、ということから咽喉痛が長く続いたものと思われる。

これ以降風邪を引くと悪化しやすくなるという自覚がでてきたので、飲酒量を控えるようになる。また、風邪の時期にはマスクを着用するようになるが、身体の生命力を立て直すようなことは行っていないし、風邪を引いてもうまく体を通過させることができずに、、風邪を引くたびにだんだんと脾・肺・腎が損傷されていく。

よせばいいのに、接骨院でアルバイトを始めることで、肝気を張ってがんばろうとするが、更に腎気が損傷されていく。

そして、腎が脾肺を支えることができなくなり機能が低下していく。 アルバイト先でクーラーがついていると、肺気の低下で衛気が不足しているため身体を防御できずに、

邪正闘争で肺気が弱すぎて結局また風邪を引いたり、治らずに長引いてしまうことになった。







第二子妊娠中はつわりが第一子の時よりひどかったことから、上逆がひどかったと思われる。
子育てするようになり、怒ることでいつも通天部分の違和感がでてくるので日常的に上逆している状態が続いていたと思われる。
第二子妊娠中は風邪を引くことが少なく、引いても長引くことはなかった。 これは、夫の借金が発覚したことで、どうどうめぐりの脾虚思考に陥っていたが、
どうにかしなければ!とかなり強く肝気を張って生活していたので、邪を防御できたのかもしれないと推測する。

妊娠中は最悪な精神状態にもかかわらず、風邪を引きにくい、引いてもすぐ治る、ニキビなどできにくくキメも細かくなり肌の調子がいい、冬の間もあまり例年よりは寒く感じなかった。妊娠中のトラブルなし、出産トラブルなし、であった。これは、妊娠中に肝気を張っていたが、その時の肝気の張り方は、肝鬱になって脾腎を犯すレベルの肝気の張り方ではなかったと推測できる。

第二子出産後は、育児による睡眠不足、借金のことなどが原因で産後の腎気の回復が思わしくなかった。

仕事を始めるごとに、肝気を張ってがんばろうとするが、それにより更に腎気の損傷が強くなっていく。

そして、腎が脾肺を支えることができなくなりどんどんと虚損が蓄積されていった。

また、夏はアルバイト先でクーラーがついている、冬は子供から風邪をうつされることから一年中風邪をひくようになってしまった。

これは、肺気の低下で衛気が不足しているため身体を防御できずに、肺気が傷られて風邪をひいてしまう。

そして風邪を追い出そうと脾腎が肺気をバックアップしようとするが、脾腎の力が充分でなければ、なかなか風邪が追い出せず、ずるずると同じところで邪正闘争し続ける。このような状態なので、風邪を引きやすく、長引きやすくなってしまった。

まず最初に咽喉痛がおきるのは、肺気の損傷で喉の保護ができないので、風邪に襲われやすい場所であるということ

そして、咽喉痛が長引く理由は、肺気の損傷で喉を保護できないために、肺気の不足をカバーするため肝気ががんばって上逆している状態である、肝鬱により気逆がおきて上焦に熱を持ちやすいということ、このよに上焦に熱を持ちやすいため、(ⅰ)邪正闘争で発生した熱がより強くなる、(ⅱ)なかなか熱が鎮静しない、ということから咽喉痛が長引くものと思われる。







最近よくおきる腹痛下痢については疲労時、冷え、梅雨寒などで起こり、頻度が多くなってきていた。
これは、腎の虚損が大きいので、脾気虚が進んで脾陽虚に移行してきている段階である思われる。
しかし、足三里のお灸で腹痛下痢の頻度が減ってきているので、このことから、お灸をする前と比べて脾の虚損が小さくなってきていると推測される。




弁証論治



弁証  脾腎両虚

論治  健脾補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

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