治療指針:生活提言


目の周囲のアレルギーの弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



小学校高学年の頃、左目に虫が入り、それから目をこする癖がついた。目をこす ることによって目に気鬱がおきやすくなったが、12歳くらいから、テレビや映 画を見た後、痒くて目をこするようになった。これは、目を使って目に気が集ま り、気鬱が起きたため熱を生じ、痒みとして感じられたと思われる。しかし、こ の頃は一過性のものであった。

20歳のとき、武道の練習中に腰を痛め、翌日の体育の授業でバーベルスクワッ トをしてすべり症になった。無理な負荷が加わったために経絡経筋病となったわ けだが、これを回復させるために生命力(腎気)を使った。1年で、再び武道が できるまでに復活したが、ピークのときの痛みにはならなくても、若い頃の発症 であるにもかかわらず、現在でも長く座ったり立ったりで痛みが出るなど、完全 に回復することができないでいる。このことに加え、子供の頃から唾液が少なめ など、素体としての腎の根の弱さが伺える。







28歳で鍼灸学校に入学する。仕事をしながら鍼灸学校の入学試験の勉強をする が、ずっと変わらなかった体重がこの時期だけ激増した。入学後3ヶ月で体重が 戻っていることから、試験勉強により肝気欝結となったと思われる。肝欝は胃の 陰虚を招き、胃熱が生じ食欲が増したのではないかと推測する。

肝欝は腎気を損傷する。まだ回復途中の腎気を、ここでもう一度落としてしまっ たことになる。鍼灸学校に入った翌年、原因不明の肝臓疾患を患ったことからも、 生命力の低下(腎気落ち)が伺える。

また、体重が激増するほど食べた、ということは脾気も損傷されてしまったと考 えられる。







さて、鍼灸学校に入学した後、目の周りがパンダのように赤くなり眉毛まで痒く て剥けてしまった。これ以降、主訴である「TVを長時間みると目の周囲が赤く痒 くなる」という症状が出はじめる。しかも、一過性ではなくなり、2週間TVを見 ないようにして目を保護しないと痒みや赤みが引かない。

これは、以前とは熱の状況が変わったためと思われる。

腎気の損傷から陰虚陽亢となり、内熱が生じた可能性がある。口舌喉がいつも渇 く、舌尖紅点(心熱)、乾燥肌などからも内熱を推測する。

テレビやモニターを見るという、本を見るよりさらに目の疲労度の強い行為の場 合、目に気欝が起き熱が生じることに加えて、内熱も加わり症状が出ているので はないだろうか。このため、目を休めて気鬱がなくなると、症状が落ち着くが、 もとの肌には戻らないということではないかと推測する。

赤外線にも弱いということからも、内熱を考える。

内熱が、脾の領域であるまぶたと、心の領域である目頭に影響を及ぼしていると 思われる。







鍼灸学校に通っていた頃から現在も、仮眠のつもりで時々床で寝て風邪を引くと のことであるが、風邪はこれを回復するのに腎気を損傷する。結果的にさらに内 熱を起こす原因となる。

また、腎気落ちにより、脾気をバックアップする腎陽が落ちると、消化機能に影 響を及ぼすことが考えられる。

31歳で武道をやめてから、徐々に体重が増えてきている。運動不足で発散でき ないから、ということも考えられるが、消化機能が落ち、内湿を溜めている可能 性も考えられる。脾募があること、乾燥肌であるのに、下肢の皮膚が水っぽいこ と、大便が便器に付着して取れがたいことが時々あることからも内湿を推測する。

脾胃はわりとしっかりしていて、現在は快食快便のようであるが、仕事柄食事が 不規則になりやすいこと、早食い、噛まない、水分を多く取るなど脾胃への負担 は大きい。脾気が落ちると、後天により腎気を支えることが難しくなるので、さ らに症状の悪化を招く原因となる可能性がある。







また、脈全体がりんかくが甘いこと、舌診で歯痕あり、ハン大であること、風邪 をひきやすいことから気虚であると思われる。

風邪をひいたときや33歳の原因不明の湿疹、発熱(水疱瘡疑惑)のときは、目 を使っても症状が出ない。これは、気虚であるため気の偏在が起こりやすく、病 気の時は病気を治すように生命力が使われるため、目に気が集まりにくいからと 考える。

40歳2月から夏ごろまでは、目の調子が良かったとのことであるが、上記のよ うに、目の症状が出ないからといって、腎気が回復して内熱が解消された結果で なければ、体調が良いとは言えないので注意する必要がある。




弁証論治



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