治療指針:生活提言


下肢痛痺証の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



1年ほど前に大きな一ヶ月あまり続くイベントで、精神的な無理、肉体的な無理を 重ねたことがきっかけで右足の痛みが発症しています。

病院で念のため検査をしてもらい、ヘルニアと診断されるものの、そのまま経過。

9ヵ月後の夏、ストレスのため3kgやせてしまうこと。足のためと勧められプールや体操を 無理してがんばったものの、冷やしてしまったことなどから、長く歩けなくなるほどの、 非常に辛い痛みとなっています。その後、温泉に入ると少し痛みが軽減するためなるべく 温泉にいくものの、あまり改善せず、現在に致っています。







若いころから、義母との関係でストレスが多い生活を送っておられ、悪阻がひどくやせてしまう ほどだったり、胃が急に痛くなりガスが出て治るなど、肝気犯胃をくり返していたことが伺われます。

また、ひどくやせてしまうほどの妊娠ー出産は、腎気をひどく痛め第一子の出産後は右下肢のヘルニアになり、手術を 受けるほどになっています。

しかしながら、腎気が割合と充実している人であるせいか、重いつわり、ヘルニアなどを 経験しつつも腎気の問題が引きずられることはなく、第二子の出産後は母乳が捨てるほど出、ヘルニアも手術によりスムーズに回復するなど、もともとの素体の充実感をあらわしています。







40代ころから、胃痛が軽減するも、眠りが継続しがたくなるという状態になっています。

眠りが継続できなくなるのは、気が裏にきちんと戻ることができないということで、肝の根の弱さが うかがえます。ストレスがなくなったわけではないのに、胃痛が軽減していることをあわせると、 肝気犯胃がなくなったというよりも、肝の陰陽両虚により、肝気犯胃となる強さが弱まったり、 裏に帰ることができなくなったのではないかと考えられます。これは子宮筋腫による、貧血も 引き金となり、この段階で素体の器を一段小さくしてしまったのではないかと思われます。







その後、生命力が補われることなく経過し、大きなイベントがあり、 精神的、肉体的な無理を重ねたため、主訴の右足の痛みの発症となっています。

イベントという肝気を非常に脹る状態であったのに、肝の陰陽が弱く、 腎気に大きく負担をかけたために、下肢の腎経、膀胱経に愁訴の出る経絡経筋病となったと 思われます。







主訴の痛みはイベントの疲労により腎気を落としたことでの発症なのですが、 さほどきつい痛みではなく、季節の変わり目のいつもの体調悪化にともない下肢の状態も それにつれて痛みが増すという程度でそれほど悪化せずに経過していました。

しかしながら、9ヵ月後の夏、脾気がストレスでかなり痛めつけられたのか体重が3kgほど落ち、 足を治すためとプールや体操でがんばったことで、いためていた下肢にかえって強く負担をかけ、 耐え難い痛みとなり現在にいたっています。

無理を重ねてしまい腎気を落としての主訴の発症ですが、さほどきつくなく経過できたものが、 脾気の弱り、冷えの入り込み、弱った経絡経筋への直接的な負担で耐えがたい痛みとなって しまったと思われます。




弁証論治



弁証:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
論治:益気補脾 下肢の経筋経絡の温陽通絡







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言

治療経過











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室