アトピー、肩こりの弁証論治


アトピー、肩こりの弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



まず病態に深く絡んでいる内湿を排泄できるように、脾気を立てることを第一とする。ただ、脾虚は体重の増減や湿痰の状況からみて長い年月を重ねており、胃陰虚が絡んでいることから病態として深く、立てるのに根気が要ると思われる。一方、腎虚は産後から目立っており、経過として短く、ここ2ヶ月程の治療で生理の状況がよくなったことを考えると、治療の手が入りやすいと考える。よって腎気も同時に立てることで、脾気を補い、出産までのような便通のすっきり感がでるところを目安に第一段階の目標としたい。

また、衛気の弱さとしての肺虚により、風邪を引くと一段と生命力を落としてアトピーが酷くなるので、風邪を引かないようにするためにも肺気をもう少ししっかりさせていきたい。




生活提言



主訴はアトピーとのことですが、中学の頃からあって経過が長いことや食事などの生活と密着した病態の複雑さから、治療をしたからといってすぐに良くなるというのは難しいと考えます。ただ、鍼灸治療に加えて、生活に気をつけながら、身体の状態の土台をしっかりさせていくことで、全身的な良い循環を作り、ひいてはアトピーも少しずつ良くなってくるところを目指したいと思っています。

アトピーの経歴が長いので、食生活を始めとする生活における養生には気をつけてらっしゃることと思いますが、今一度確認も兼ねて見直してみてください。

アトピーにおいてよく言われますが、食事の量と内容には注意が必要です。○○さん自身、食べすぎや食材によってアトピーが酷くなったりすることには気付いていらっしゃいますので、量や油物、甘いものなど今まで通り気をつけておいてくださればよいと思います。そしてもうひとつ注意したいのが冷たいものの摂取です。これからますます暑くなるので、さらに喉が渇いたりして冷たいものを取りたくなりますが、アイスクリーム、氷、キンキンに冷えたビールなどの冷飲食は、自覚されている冷えを助長しますから、気をつけましょう。

内側からこの冷えを助長させるのが先に述べました冷飲食ですが、これからの時期、外側からもクーラーなどで特に足が冷えることが多くなります。ご自宅ではクーラーを全く使われないとのことで、家に居たり、外で子供の遊びに付き合う分にはいいのですが、どこかに出かけられる際は足を冷さないように服装にも気をつけましょう。風邪を引くとアトピーが悪くなることは分かっているので、風邪を引かないようにするためにも、冷えを体に入れないことが大事です。靴下だけでは冷えるようなら薄手のレッグウォーマーや首元を冷さないスカーフなどを持ち歩くのもいいと思います。

睡眠に関しては、眠りは浅いこともあるようですが、その分、時間を充分に確保していらっしゃるのはいいことです。身体の疲れを取るにはしっかりした睡眠が大切です。夜更かしせず、睡眠時間をちゃんと取ることで生活のリズムが大きく乱れなくて済み、よい循環が生まれます。夜中にアトピーが痒くて寝不足になるようなら、昼間に短時間の昼寝をするのはいいと思います。

今はお子さんが小さくて手がかかり、毎日疲れることも多いかと思いますが、優先順位を決めて、手を抜けるところは抜いて、気を張って頑張り過ぎないようにしましょう。そしてストレス発散と称して遊びに行ったりするのは、返って身体を疲れさせ、生命力を落としてしまい、結果アトピーを悪化させてしまいます。嫌なことをするのはストレスですが、自分の身体の器以上の遊びは楽しくても体にとってはストレスとなります。まずは翌日に疲れが残らないような生活を心がけ、せめて出産前の疲労感の少なかった身体へと立て直していきましょう。お子さんが大きくなれば、今より自分の時間もできことでしょうから、そのときにやりたいことをやるためにも、今は大きく崩さないようにしていきましょう。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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