頸肩腰痛の弁証論治


頸肩腰痛の弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



温経湯の服用のみでは補いきれない腎陽を立てることを主とする。 腰痛は随分良くなっているので、腎陽を立てることで様子を見るのもよいかと思うが、首同様、腰の場としての弱さもあるので、首腰は局所への補いも同時に行いたい。




生活提言



温経湯の服用により、ホットフラッシュ以外の体調も随分と良くなっているようで、身体がバランスを取り戻していい循環に入っていると思われます。ただ一段と寒くなって生命力が落ちる季節となり、温経湯だけではそれを補いきれず、お通じの回数が減ったり、生理前にお腹が痛くなったりしたと思われます。

寒い時期というのは、動物が冬眠するように、身体の生命力も内に籠もって活動を抑えて身体を養おうとします。そのために夏と同じように生活をしようとすると無理が出るわけです。なのでこの時期に身体を養って、うまく春を迎えられるようにすることが大切です。







身体を養うのに重要なのが、なんといっても睡眠です。寝ても眠たいことがあるのは、1日の活動量が自分の許容範囲を超えたために、1回の睡眠では補えなかったということです。お仕事の関係で寝る時間が遅くなることもあるとは思いますが、早く眠れる日は早く寝て、質のよい睡眠をしっかり取る日も設けてみてください。

寒い時期に腰が硬くなったり、朝起きてしばらく時間がたたないとエンジンが掛からないというのは、身体を温める力が不足しているということです。最近は食べ物にも気をつけていらっしゃるとのことで、冷えたお酒も控えてらっしゃるとのことですが、冷飲食は身体を直接中から冷すので気を付けて下さい。またお通じが出ないからといって、お菓子や果物を多く食べるのは胃腸の力を落としてしまって返って逆効果となります。規則正しく、食べ過ぎない食生活が胃腸の力をつけて、ひいてはお通じも出るようになります。







腰の痛みは温経湯で随分と良くなられましたが、冷えると痛む、冬は硬く感じるなど、やはり椎間の潰れなどがあり、腰という局所の弱さが窺えます。腰の筋肉を鍛えると調子が良かったように、その弱い場所を周りの筋肉で支えるというのはいい方法なのだろうと思います。ただ運動をする時間が無いようでしたら、普段から腰に負荷を掛けすぎないようにするのが大事だと思います。腰を冷さないようにし、同じ姿勢でパソコン作業をするなら、時々休憩を取ってストレッチをしてあげるなど工夫してみてください。

首は温経湯で唯一良くならなかった痛みですので、首の局所自体の問題が大きいと思われます。鍼灸治療で首の弱りを補いながら、少しずつでも改善できればと考えます。ただ、パソコン作業をずっとしていると痛みが増してくるように、首に力を入れてじっとしているのが良くないことはわかっているので、仕事中も合間をみて少し首の筋肉の緊張をほぐして上げるように心掛けてみて下さい。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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