月経前症候群の弁証論治


月経前症候群の弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



・PMSの症状自体は肝鬱が強いために出てきた症状であるため、 月経前やストレスなどで肝鬱がひどい時期には疏肝利気を加える。

・現在は長期の肝鬱や脾気の未回復で腎気がどんどん下降していっている状態であるので、 長期目標として脾腎を補い、素体の力をアップさせる。脾気、腎気が充実してくるとPMSの症状が軽くなり、膀胱炎の様な症状も無くなっていくものと思われる。

・排卵期付近は特に補腎に重心をおく




生活提言



○さんは専門学校卒業前に急激に痩せた事と、寒冷地で頑張り過ぎた事で身体のパワーをずいぶん消耗してしまい、まだ回復していない状態だと思われます。

東洋医学では身体の中の「気」が充実してうまく流れることで血流や便、呼吸など様々な生理機能が滞らず、精神的にもスッキリとして健康でいられるという考え方をします。

普通でも月経前は「気」がうまく流れにくくなるので、滞ってしまいイライラしやすくなります。

パワーが回復していない今の状態では気力で無理にカバーしようとするために、「気」の流れが更に滞ってしまい、より情緒が不安定になってしまいます。

鍼灸治療では、月経前のつらい時期は滞りをほぐす治療で落ち込んだりイライラした気分を楽にしていきます。しかし根本の原因は体のパワー不足にあるので、長期的にパワーを回復させていく治療もおこなう事で月経前のつらい症状自体が出にくくなってくると思います。







治療効果を上げるために、普段の○さんの生活も気をつけていただかないといけない事があります。

食事はバランスのとれたものを摂るように心掛けてください。又早食いは消化に悪いですから、玄米食にしたのであればよく噛むことを意識してください。良く噛むことで食べ過ぎの予防にもなります。

夜にパソコンに向かう事が多いようですが、何時間も集中して見ていると、肩こりや目の疲れ、口の渇きや寝付きにくさを悪化させてしまいます。夜が避けられないのであればある程度時間を決めて、 間に休憩入れながら(ストレッチをするのも良いですね)見て下さい。 夜の睡眠は疲れを取り体を回復させるのにとても重要です。できれば24時までには寝るようにしてください。

膀胱炎のような症状に対して竜胆瀉肝湯を飲まれていましたが、長期服用すると体力を消耗してしまいますので、気をつけて下さい。

六味丸は長期的に飲むことでパワーを回復させる手助けをしてくれるので良いと思います。

加味逍遥散は月経前などイライラが強い時に服用されると良いかと思われます。

そろそろ苦手な冬が近づいてきますね。

冬は一般的にも身体のパワーが落ちやすい時期です。

あまり激しい運動や活動をせず静かに過ごし、春を待つというが冬の養生法として言われているくらいです。いつも以上に無理をしすぎない事を心掛けてみてください。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院