治療指針:生活提言


肩凝り頭痛の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



高校の陸上部の練習は朝練で10キロ、夏休みには50キロの距離を 走りこむというとてもハードなもので、部員全員が腰痛や体調の悪さを 訴えるほどであった。

このような練習により腎気を消耗していったと思われる。

練習をこなすため腎気に過度な負担をかけながら肝気を強くはって がんばるようになる。

肝気を強くはって頑張ることでさらに腎気に負担をかける、そしてより腎気を 消耗するという悪循環になっていったのだろう。

また肝気を強くはって頑張ることで、肝気が横逆して脾気にダメージを あたえるようになり、ストレスや油物の摂取で悪化する神経性胃炎になって いったと思われる。

部活動をしていた高校生の期間を通して、強い肝気は腎気と脾気を損傷 していくことになったのだろう。

10代後半からの肩こりは、腎気と脾気の損傷により肝気が立ちやすくなっており

その肝気が上焦にうっ滞することでおきていた思われる。







現在まで慢性的に神経性胃炎や肩こりが続いるが 転職により頭痛がでてくるまでの間、特に目立った症状がでていないことから、 脾気と腎気の損傷はあり、肝うつから肝気がたちやすい状態ではあったが、 自分の体に見合った無理のない生活がおくれていたのではないだろうかと思われる。

31才11月にPCの仕事に転職する。

肝うつ傾向で、肝気が立ちやすく上焦部分をうっ滞させやすく、 脾気に損傷を受けている方なので、 転職することで、慣れない仕事や人間関係などで精神的に過度な緊張状態が続き 肝うつが強くなりよりいっそう脾気に大きな負担をかけてしまうことになったのだろう。







また、強い肝うつは、腎気も損傷させていく。

脾腎に負担をかけながら肝気をはってがんばること、 長時間同じ姿勢でのデスクワークなので気滞が解消しずらいということ、 PC作業で目を酷使するために目に気が集中してしまうということ、 このようなことが重なり上焦部分のうっ滞がどんどん強まっていく。

そして、転職して約5か月後の4月に頭痛が発症する。

目に気が集まっているので、前頭部の目のラインに痛みがあらわれ、 肝気の高ぶりによりうっ滞がおきているので、側頭部のこめかみあたりに 頭痛がおきていると思われる。

4月に頭痛が起きてきたと同時に生理不順、不眠症などがでてきた。

これは、転職して5か月強い肝うつを長い間受け続けたため、腎気が 深い損傷をうけたためおきてきたものと思われる。

32才6月に突然めまいと吐き気を伴う頭痛がはじまった。

突然後頚部から後頭部にかけての頭痛がおきているので風寒邪に襲われた のではないだろうか。

風寒邪に襲われたことで腎気の損傷がさらに深まる。そのため、肝気をおさえ にくくなり肝気の激しい上衝(肝風内動)をおこしてしまったと思われる。

風寒邪により上焦のうっ滞がつよくなり、また肝気の激しい上衝(肝風内動)をおこしたことで、 吐き気、めまいを伴う激しい頭痛がおこった。

これらのことから、腎気の器が一段小さくなってしまったのではないかと推測できる。

腎気の器がひと回り小さくなったことで脾気の器も一段小さくなり、 そのため、虚熱を生むことになりその虚熱が心に影響していったと思われる。







お身体を拝見すると、脈状が弦、季肋際のはれ、肝の相火、少腹急結、太衝などの 経穴の状態から、強い肝うつがあるのではないかと考えられる。

また、慢性的な神経性胃炎、食後にお腹のはりや胸やけがでたり、便ができらない感じ、

足三里の陥凹、脾兪・胃兪の抜けた状態から脾の器の小ささも考えられる。

また、脊柱の湾曲、三焦兪の抜け、残尿感、尿の切れがわるいなどの尿の問題もでており 腎気の器も小ささも考えられる。

口・喉・舌が時々渇く、夏がつらくクラクラして歩けないということから 虚熱が心に影響していることを推測できる。

32才11月に再び転職をして事務仕事についた。

転職したことで頭痛が再びおきる。

今回の頭痛には、はきけとめまいはないので内風は関係なく、 今回おきた頭痛は強い肝気の高ぶりにより上焦部がうっ滞することでおきたもの と思われる。

31才11月の転職時は転職してから5か月後に頭痛が出たが、 今回は転職してすぐに 頭痛が発症している。

めまいとはきけを伴う頭痛がおきた6月から9月の間に、脾気と腎気はより強いダメージを受けて ここで脾腎の器を一段小さくしてしまった。

そのため、今回転職すると支えである脾腎の器が一段小さくなっているため、 がんばろうと肝気をはると強い肝気となり、そのため上焦のうっ滞がすぐにおこり 転職してすぐに頭痛がおきてしまったと思われる。




弁証論治



弁証:脾虚・腎虚  肝気鬱結

論治:健脾・補腎  疏肝理気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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