関節リウマチの弁証論治


関節リウマチの弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



現在もストレスを抱えた状態のため、肝鬱気滞はあると思われるが、本質的にはかなり深い気虚があるので、当面は理気を行わずに、腎気中心に補気をしていく。

これにはかなりの時間が必要となるが、痺証が成立した根本には気虚があると思われるので、腎気の回復が第一と考える。

また、痺証の性質としては着痺の要素が強いので、体質的に弱い脾気も合わせて立てていき、患者さんにも水分や甘いものの摂取には気をつけてもらう。

そして、現在は内陥していると考えられる風邪にアプローチする時期については、今後、灸など用い温補することにより正気が回復し、邪正闘争が起こるまで待つ。

そこで、病位が再び表に戻ることが予測されるので、注意深く体表観察を行う中で太淵や風門肺兪の発汗などがみられれば、そのタイミングを見計らって疏風散寒を行う。




生活提言



「リウマチだけは本当にわけがわからない病気だ」とご自分で言われるように、○○さんは病歴が長く、その間に病がとても複雑になっています。

ただ、一つ言えることは、結婚から抱えられているストレスが常に、身体が治ろうとする力を邪魔しています。

また、何事もきっちりと自分が思うように行いたいという性格も、現在の状況を考えると身体にとっては負担となります。

まずは、現在の状況をあるがままに受け入れ、こだわりを捨てることが治療への第一歩かと考えます。

体質的に、決して丈夫な方ではない上に、長年のストレスと過労で、身体の根本の力(生命力)が少しずつ削り取られ、現在はかなり弱った状態になっています。

治療としては、この力を回復させることを第一としますが、そのためには養生もとても大切になります。

適度な、食事(八分目)、睡眠(早寝早起き)、運動(疲れが残らない程度)、を心がけてください。

そして、先ほども述べましたように、穏やかな心も大切な養生です。

心身ともに無理をしないようにしましょう。







また、自覚症状として風邪で痛みが悪化すると言われるように、風邪が治りきらないまま、身体に居座った状態があります。

これは、新たに風邪をひいてしまい、リウマチが悪化するということもありますが、逆に居座っていた風邪を治そうとする力が出てきたときに、一過性に症状が悪化することがあります。

そしてこの時こそが、身体から風邪や冷えを追い出すチャンスでもあるのです。

ですので、お灸などを用い治療していく中で、身体にこのような症状が現れることがあっても、無理やりに熱を下げたり痛みだけを止めようとはせずに、上手に風邪を経過させるつもりで構えていてください。

そうすれば、風邪症状が去った後に、リウマチの症状も一段階軽くなると思われます。

風邪のほかにも、○○さんの身体には、冷えや余分な水分の存在が伺えます。これらも、東洋医学ではリウマチの原因の一つと考えています。

リウマチは熱症状を伴うので喉の渇きもあるでしょうが、冷たいものの飲食やクーラーは避けるようにしてください。

また、身体にとって余計な水分を捌きやすくするために、甘いものや水分の取りすぎには気をつけてください。







最後に、○○さんの身体の状況は、決して楽観できるものではありませんが、プラス材料もあります。○○さんほどの、痛みと病歴があれば、通常は長年のステロイドや抗リウマチ薬などの副作用で、免疫力が決定的なダメージを受けているケースも少なくありません。

そうなると、お灸などの治療をすることさえ難しいのですが、ご自身のお考えで薬は本当にわずかしか服用がないため、これを避けることができています。

時間はかかるでしょうが、とにかく焦らず、あきらめず、じっくりと治療していきましょう。










主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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