治療指針:生活提言


頭痛、生理痛の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



主訴である頭痛を始め、胃痛やアトピーなど多くの症状が肝鬱により起こっていることが窺える。もともと子供の頃から胃痛があり、よく鼻血が出ていたことから、肝鬱が強く、気が上衝しやすい素体があるものと思われる。この肝鬱がきつい理由として、子供の頃に百日咳で死にかけたために、腎器を脆くし、肺器を損なった可能性が考えられ、裏の問題があるのではないかとも推察される。

立ち仕事をするようになり、朝の手のむくみや足のむくみを自覚し始める。これは立ち仕事による腎気の消耗があったためだと思われる。

また25歳頃には頭痛がひどくなり、検査で脳に肉腫が見つかる。もともと強い肝鬱があるところに腎虚が加わり、気滞がきつくなって、上焦で鬱滞するものが形となり肉腫ができた可能性も考えられる。そしてその肉腫が頭痛の原因であるかは定かではないが、器質的にそこに存在しているために、肝鬱で気が滞りがちな体質に拍車をかけて、頭痛を起こりやすくするという悪循環を招いている可能性は高い。

30歳で転職するが、その職場は冷房がよくきいていて、足のむくみだけでなく冷えや腰痛もよく感じるようになり、生理痛が酷くなった。これまでの立ち仕事では腎気の消耗はあったものの、それなりに早く回復していたものと思われるが、転職してからはその腎気の損傷が以前よりも大きくなり、下焦の問題も大きくなったと考える。







生理痛が寝込むほどのきつい痛みであったり、生理血に塊が混じっていたり、舌裏のきつい怒張などから、下焦の虚に乗じて瘀血ができている可能性も窺え、より気鬱を強化していることも考えられる。

ただこの腎虚が深くなったと思われるこの時期でも、頭痛は特に悪化しなかった。これは腎気は落としたが、肝鬱の強さはそれほど変化が無かったと考えられ、この生理痛の主因は腎虚であるものと考える。

その後、頭痛、生理痛は悪化傾向にはないものの継続することとなる。そして32歳で事務仕事に転職し、規則正しい生活になり、肉体的には楽になっているように思われるのに、目眩や疲れを感じるようになる。これは事務仕事になったことで身体を動かすことが減ったために、肝気の発散が不十分となり、目眩や立ちくらみを感じるようになったり、腎気を圧迫するために翌朝に疲れが残ったり、生理前の肝鬱もきつくなって胃痛を頻発したりと、発散しきれない肝鬱がいろいろな愁訴へと波及しているものと考えられる。

またこの肝鬱気滞を強化するものとして、水分の過剰摂取による内湿の存在の可能性も舌苔や脾募、便通の状態から窺える。




弁証論治



弁証:肝鬱、腎虚

論治:疏肝理気、補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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