治療指針:生活提言


副鼻腔炎の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



幼少期、学生時代に疲れるとすぐに食欲が落ちていたことから、もともと脾器は大きいほうではないことがうかがえる。

それにもかかわらず、お菓子を毎日食べて脾気に負担をかける生活を続けたために、20歳頃には脾虚が常態化していたのではないか。

この時期に花粉症を発症しているのは、脾気が肺気をバックアップできなくなり、くしゃみ、鼻水など肺の宣発作用の失調につながった可能性がある。

その後もお菓子が止められない生活のため、着実に内湿が溜まっていった。学生時代からかなり痩せた現在でも、脾募がしっかりあるところや、いつ頃からかは定かではないが、便が便器に付着することがよくある、という問診内容からも、当時の内湿が相当あったことが窺える。

29歳で体重が大幅に痩せてから、副鼻腔炎を発症しにくくなっていることからも、内湿が絡んでいることは確かそうである。







しかし、その後も普段の鼻づまりは改善していないことから、内湿以外にも長期間にわたり身体に居すわっているものとして、風邪の内陥を考えた。

これは、脾虚体質に食の不養生が続いたために、ついには腎気にまで影響が及び、そこへ過労や睡眠不足が重なることにより、風邪をひきやすくなった。

そして、邪正闘争として膿汁が現れ、そこで正気が勝てば、風邪とともに膿汁も治まるが、邪気に押し込まれると、一段深いところで邪正闘争が起こり、前額部痛や目痛を引き起こしているのではないか。

また風邪をひくことにより、邪気によりさらに腎気を損傷するという悪循環に陥っていく。その結果、風邪を完全に払うことができず、内陥という状況をつくりあげてしまったのではないか。







患者によると風邪は治ったとのことだが、切診情報から、浮脈に加え太淵の発汗、肺ユ、風門などの弛みと、現在も風邪が内陥している可能性が高い。

そして経穴診で最も目立った、三焦ユ、腎ユの深い陥凹からも、いつ頃からかは定かではないが、腎虚の程度がきついことが考えられ、それにより風邪を追い出しきれずにいることも納得できる。

腎虚については生来のものというよりは、オーバーワークにより徐々にきつくなってきており、このことが体質的な脾虚をバックアップできずにさらに内湿を溜めるという悪循環を形成していると考えた。




弁証論治



弁証:脾虚内湿、腎虚、風邪内陥

論治:健脾化湿、補腎、疎風散寒







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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