治療指針:生活提言


すっきりと目覚めたい弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



子どものころから手足の冷えが現在まで続いていることからも器が小さく、陽気 が少なかったのではと推測する。そのため陽気がたちづらい素体であり、子ども のころから朝が弱かったということが考えられる。

旅行に行くなど、楽しいときは肝気がたちやすいので目覚めが良いと思われる。







サラリーマン時代、肉体的、精神的に無理をして腎気を落とした。

また、食事も不規則で脾胃に負担をかけ、体重も今までになく増えている。この ことも腎気を落とす要因の一つとなったと考えられる。また、このときから内湿 を貯めたと思われる。

27歳で専門学校に入り、夜はバイトをしていた。この生活もご本人には負担と なり腎気を落としたのだろう。体重は徐々に戻っていくが、トイレが近くなった ことからも腎気落ちが考えられる。

卒業後、就職しながら開業もし、結婚もするなど生活が大きく変わった。

このあたりから時々尿の切れが悪くなったり、夜間排尿に起きるなど、年齢のわ りに排尿の症状が出たことからも腎気落ちがさらに一段深くなったことが伺われ る。

腎気が落ちることにより、もともとたちづらい陽気がいっそうたちづらくなり今 までより朝が辛くなったと考えられる。

この、腎虚傾向で陽気がたちづらいということが衛気の不足をまねき風邪の治り が悪い(汗が出ない)ということにつながっていく。正邪闘争を続けるも風邪を 追い出すには致らず、風邪が内陥し抜けなくなってしまった状態と考えられる。

風邪としての症状はおさまっても、身体の中には風邪が常にあり、この風邪を追 い出そうと身体は戦い続けなければならない。

この頃から花粉症が出始める。サラリーマン時代に貯めた内湿が肝鬱により鬱滞 を起こし、これを解消しようとしている可能性もあるが、春先に肝気の力を借り て陽気をたたせ、汗の代わりに鼻水を出し、内陥している風邪との正邪闘争を行 っている可能性もある。







34歳のとき、第1子誕生、引越しをする。子育て、自営業の移転などさらに腎 気を落とした可能性がある。そして、37歳くらいから、2月、3月に風邪症状 の後、喉の痛みを感じ副鼻腔炎になる。腎気落ちにより肝鬱がしだいにきつくな り、肝気がたち始める頃に肝鬱が強く内湿と結びついて頭部に湿熱をもたらした と推測される。内陥している風邪だけではなく、新たな風邪も引き込んだ可能性 もある。

ここで、抗生物質を飲むと花粉症の症状がでない。

抗生物質により湿熱はおさまるがさらに腎気が落ち、器が脆くなり鬱滞を解消す ることができなくなってしまった可能性、あるいは肝気の力を借りても陽気がた たず正邪闘争を行うことができなくなった可能性が考えられる。

39歳から1年間服用した漢方薬は、脾肺をたてるものがほとんどである。しか し、これだけでは腎気がたたず、衛気が不足し陽気のたちも悪く風邪が抜けなか ったのではと思われる。

気功を始めることによって、風邪症状のとき汗が出るようになった。しかし、腎 気が回復しているわけではないので、身体に無理をさせ陽気をたたせている状態 であり、これがまた腎気を損なう悪循環となり、陽気のたちづらい明け方に上半 身にぞくぞく感を感じるようになってしまったと考えられる。







ここ2,3年で生活は変わっていないのに一気に体重が4,5kg増えたが、腎 気落ちにより排泄機能が落ちたためと思われる。

今年はまだ10月であるにもかかわらず、副鼻腔炎となった。すなわち、腎気落 ちがきつく、春先でなくても肝鬱がきつくなり内湿と結びついて湿熱を生じたた めと考えられる。大便が軟便であること、太っていないのに脾募が思ったよりあ ることなどから内湿の存在は伺われる。

また、切診情報を見ても、右合谷発汗、左右太淵発汗、左右経渠発汗、左列缺冷 え、発汗、そげ、右列缺発汗、そげ、大椎~身柱付近まで督脉上の冷え、そう理 の粗、右風門陥凹、発汗など風邪の内陥は顕らかである。

30歳頃から左陵下穴あたりにできてはかさぶたになり取れてまたできるあざを 繰り返している。左下腿胆経が張っていることを考えると、胆経の部分の疏通が 悪く、陵下穴あたりには生命力の虚が生じ皮膚を養えないでいる可能性がある。 局所の問題であるが、腎気落ちにより局所の問題も回復できずにいる可能性があ る。




弁証論治



弁証:風邪の内陥、腎陽虚

論治:風邪の治療、温補腎陽







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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