治療指針:生活提言


くらくらして目がうっとおしい弁証論治
病因病理:弁証論治







病因病理



気を使った後や旅行の後調子が悪い、価値観の違う人と一緒にいるのがダメ、仕 事中はご飯を食べない、などからもともと肝気鬱結(以下、肝鬱とする)になり やすいタイプと考えられる。小食であることから脾胃が生まれつき小さく、器が 大きくなりきらなかったと考えられる。生きる意志が強く、小さめの器を肝気の 力を使ってがんばって動かしてきたタイプと思われる。しかし、5歳のときに肺 門リンパ腺炎をわずらったこと以外は特に体調を崩すこともなく元気だったこと や、出産も問題なかったことなどから器は小さめでも腎気は充実していたと思わ れる。







39歳、娘が中学生になったとき美容院と食品のお店を出した。このことは、こ の方にとってはかなり器を越えて無理をしたと考えられる。肝気を張ってがんば り、肝鬱により腎気を損傷し、腎気が落ちたために、さらにまた肝気を張ってが んばらないといけないという悪循環からしだいに腎気の損傷がひどくなり生理が 止まらなくなった。このことがきっかけとなり現在まで続く貧血になってしまう。 元来小食であり、貧血を食で補うのが難しい。鉄剤も脾胃が受け止めきれず、飲 むことができない。また腎虚により虚熱が生じ、これが心に影響するため頻脈に なりやすく、注射による鉄剤も受けることができない。貧血によりさらに脾気が 落ち、脾気が落ちるため貧血を解決できないという、ここにも悪循環が生じてし まった。

貧血が解決しないまま、仕事の他にあちこち講演に出かけ、電話相談などで気を 使い、肉体的にも精神的にも疲労が重なっていく。

その上、年齢的に腎気が落ちる50代~60代には、認知症の母の介護があり、 美容院を併設した家を建てる、家族の食事のしたくは完璧にするなど、さらに肝 鬱と腎気損傷の悪循環が続いていく。

そんな中合唱は肝鬱の発散となっていたが、62歳のとき多忙でやめてしまった。 このため肝鬱による腎気損傷は、加速することになる。

そして、腎気が落ちることにより、バックアップの減った脾気もさらに落ちて行 き、66歳の時には逆流性胃炎の症状が現れた。脾気虚であるため、逆流性胃炎 の薬を飲むと脾胃の働きがストップし、全身の気虚となり動くことができなくな る。







67歳6月、貧血の検査で胃がんに引っかかる。けっきょく機械の接触が悪かっ ただけで問題なかったが、心配で思い悩み脾気を落とし、さらに食事を取らずに 検査に行くことが5回あり疲労し、全身の気虚が進んでしまい、体重が激減した。 クラクラしたり目がうっとおしくて開いていられないという症状もひどくなった。 貧血を治そうと鉄入りキャンディーを舐めたり、レバーを食べたりして、脾胃に 負担をかけたため、便秘になってしまった。しかし、便を出さないと気がすまな いということで、肝気を張り、肝鬱から肛門に気滞が起き、痔になってしまった。

現在の身体を診ると、左右足三里ミゾ、左公孫ゆるみ、左右三陰交ゆるみ、舌苔 の少なさ、裂紋のある舌、大きな脾募、右脾兪亀裂など、脾気落ちは顕らかであ る。また皮膚を養う脾気が弱いため、皮膚が全体的に薄い感じがある。それに加 えて、脈の尺位の触れづらさ、右尺沈の弦、右大巨冷え、右気海兪奥に硬結、左 腎兪陥凹、左三焦兪陥凹など腎気落ちも顕らかである。

小食なのに脾募が大きく、脾募が大きくても大便が便器に付着して取れがたいこ とはないということから内湿が排泄できていないことが考えられ、足がむくむの は内湿が捌けていないからと思われる。 何年も前から時差ぼけの症状や物忘れがひどいこと、夜に足がむくむ、抜けるよ うに足がだるくなる、冷えるとクラクラがきつくなる、朝起き難い、食べるより 休みたい、翌日に疲れが残る、などを考えると、腎気の虚損が進んでいることが 伺える。




弁証論治



弁証:腎虚を主体とした全身の気虚、脾虚、肝鬱

論治:益気補腎、健脾、疏肝理気はなるべく行わない







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室