治療指針:生活提言


花粉症の?弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



子供の頃から下痢が多い、そして身体が小さい、
などの脾気の弱さが窺える。
(子供の頃からの症状として他に、
会話が聞き取りにくい、というものもあるが
 これは34歳の時に六味丸を一週間服用しただけで症状が軽減した。)
そして成長過程においても下痢が多いにも関わらず
これといった養生を行わなかったことが
成人後の様々な症状を呈する素因になっているものと思われる。

中学2年の春から主訴である花粉症を発症するようになる。
☆これは子供の頃から脾気が弱く充分に器を大きくしきれず
その器を超えて日常生活をこなそうとするために
常に肝気を張っていることが根本的な原因ではないかと思われる。

また20歳頃から徐々にではあるが
症状が年々悪化してきているのは
様々な要因で弱らせてしまった脾腎にとって
(ただし、その弱りは器にひびくほどではない)
肝気を抑えるのが徐々に困難になってきているということが考えられる。

そして、症状の強さと全身状態が無関係という事実からは
小さな器を守ろうと、肝気を張っている過敏な状態が
習慣づけられてしまっていることが考えられる。

ただし28歳の春は
慢性前立腺炎の手術後で腎気が落ちて回復していない
と思われる状態であったが
慢性前立腺炎を自分で治そうという前向きな気持ちで
特別に肝気が緩んでおり症状があまり出なかった。







27歳の夏
日頃あまり体調に気を掛けることもなく
やる気を出せば何でも乗り越えられる
という思い込みを持っていた。
そして、この時も学生生活と深夜までのアルバイトを
両立させようと無理矢理肝気を張って頑張るが
実際には腎気に無理をさせて肝気を立たせていたに過ぎず
ついに疲労がピークに達し
腎気の不足と張り過ぎた肝気の鬱滞から
下焦に滞りが生じ慢性前立腺炎を発症する。
またこの慢性前立腺炎の発症は
その不快な症状から過度のストレスを生じさせ
余計に肝気の巡りが悪くなる→下焦の鬱滞が更に悪化する→
またストレスが溜まる
という悪循環へと陥り、急激な症状の悪化をみせた。
そして下焦の鬱滞は瘀血を生み
痔様の症状(肛門の違和感)としても現れた。
 因みに、手術療法を受け一時的に慢性前立腺炎症状が消失したが
術後2日目からまた症状がぶり返しだしたというのも
下焦の滞りのために発生していた瘀血が手術によって流れ出し
一時的に下焦の滞りが改善したためではないかと推測される。

手術後、西洋医学的治療に見切りをつけ
自分で治そうと気持ちを大きく切り替え
精神的に前向きになったことで
肝気の巡りが改善し、下焦に発生していた瘀血を
大量の太くて緑色の大便として排泄することによって
解消できたのではないか。
そしてその滞りによって現れていた強い症状は
即座に消失したが、元の腎気不足による
下焦の巡りの悪さからくる鈍い症状は
緩やかに時間をかけて解消していった。

そして上記したように
慢性前立腺炎を自分で治そうとする前向きな気持ちで
強く肝気を張らずに迎えることができた28歳の春だけは
花粉症の症状が例年と違ってかなり穏やかであった。







29歳 鍼灸専門学校入学
30歳 結婚と引っ越し
以前のような過労状態ではなく
また健康に気をつかっていた甲斐もあり、多少腎気が持ち直したのか
慢性前立腺炎の症状はほとんど出なくなり落ち着いていた。
ただし、慢性前立腺炎を治す為に行っていた
ケイシー療法による食事法は再発を恐れて続けていた
(28歳頃から32歳頃まで)。
この善かれと思って続けていた食事法だが
解釈の間違いから生野菜の過食をしてしまっていた為に
脾気への負担が重なり、食後に肩甲間部に痛みが出るようになる。
これには
生活環境の変化などによる肝気の張りも影響していたのではないか。
※ケイシー療法による食事法
 一般に生野菜を主食とする食事療法と考えられているが
 実際には個人々々に合わせて食事内容が推奨されていた。
 また食べ過ぎは常に禁忌とされていた。







31歳の時に交通事故に遭いムチウチになり
それ以来、梅雨時に身体のだるさがでるようになる(特に頸部)。
これは発生機序から考えると
経絡の特定には至っていないが経絡経筋病と考えられる。
この経絡経筋病によって頚部の巡りが悪くなったところへ
食事療法の間違いなどによる脾気の弱りで生じた内湿が重なり
症状を呈しているものと思われる。
そして、この症状を長く引きずっているというのは
腎気の回復が未だに成されていないことを示しているのではないか。

また、この頃より子供のアトピーの悪化をきっかけに
ストレスを感じるようになり
肝気の鬱滞を生じるようになるが
それは弱っている脾気に更なる負担をかることとなり
腹部がしくしく痛むという症状を呈するようになった。
脾腎の弱りがあり、それをカバーするために
日常的に肝気を張り
それがまた脾腎への負担となるという日頃からの悪循環に
さらにストレスで肝鬱を溜める→また脾気を損なう
という悪循環の追い打ちがかかり
次第に僅かなストレスや少量の甘い食物の摂取でも
腹部が痛むようになってゆき
34歳の頃には
食欲が落ちるまでに脾気が弱ってしまったものと思われる。
35歳 補中益気湯を飲むことによって脾気が補われ
腹痛が軽減し、便通が良くなり、疲れにくくなった。
しかし便通の改善は一時的であった。
これは脾気の大きな傾きが補中益気湯によって一時的に回復したが
その回復が不完全である為であり
その背景には未だ回復しきっていない腎気の弱さ(バックアップ不足)
があるのではないかと思われる。




弁証論治



弁証: 腎虚肝鬱・肝脾不和

論治: 補腎・補脾・疏肝理気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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