治療指針:生活提言


毎年のぎっくり腰の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



就職してから深夜帰宅、徹夜がずっと続いている。それでも20代は何事もなく 過ごせていたのは、持って生まれた器がしっかりしていたのと、若くて腎気が充 実していたためと考えられる。しかし、充実していた腎気も次第に負担がかかり 30歳で初めてのぎっくり腰を起こす。

仕事は座ってパソコンを使っていることが多い。つまり、常に気逆を起こしてい るわけだが、疲労によって腎気が落ちてくると、肝気を張ってがんばらなくては いけないため、ますます気逆を起こす。肝気を張ってがんばると、ますます腎気 が消耗し、さらに肝気をはってがんばらないといけないという悪循環に陥る。

気逆を起こすということは、上焦に気が集まり、下焦は気が少なくなるというこ とで、ついには下焦において腰を支えるだけの気が足りなくなり、ぎっくり腰を 起こしてしまう。ぎっくり腰を起こすと、これを治そうと、腰に気が集まっくる。 しかし、腎虚を中心とした全身の気虚となっており、全体的な気が不足している ため、腰に集まった気はその場で鬱滞し痛みがひどくなると考えられる。







32歳から40歳まで肝炎の治療でインターフェロンを行うが、ここでも肝炎を 治すために腎気を落とした。41歳で太り始めているが、腎気が落ちたため排泄 能力が落ち、引き締める力が弱くなったと考えられる。

そして、1年に1度、季節の変わり目にぎっくり腰を起こすようになる。腎気が 落ちたため、外界の変化に身体がついていけなくなったと考えられる。 特に春が多いのは、冬の間内に向かっていた気が、春になって暖かくなり内に向 かわなくてよくなりゆるんでくるが、腎気が弱くなってきたため求心力がなくな り、いきなりゆるみすぎてしまうからと考えられる。

また、この頃から風邪を引かなくなった。しかし、風邪は引いていないと言うに もかかわらず、切診で大椎の冷えや右風門の発汗、陥凹などが出ている。 風邪を引くと、風邪を追い出そうと上焦に気が集まってくるが、常に気逆してい るため風邪を引いても気がつかない、あるいはこの頃から風邪が内陥している可 能性も考えられる。

肩こりも気になるそうだが、気逆していることに加え、風邪も原因となっている 可能性がある。







もともとしっかりしている器なので脾胃は丈夫であり、腎気が落ちているので、 食べることによって身体を支えようとしているとも考えられるが、不規則な食事 などで、脾胃にも負担が及んでいることが切診情報から伺われる。

51歳、今回のぎっくり腰はいつもより重症だった。疲労の蓄積に加え、加齢に よる腎虚も加わり、さらに脾胃の疲労も腎虚に拍車をかけたと考えられる。

気がつかずに風邪を引いた、あるいは内陥してる風邪があれば、これも腎気不足 の要因となる。




弁証論治



【弁証】腎虚、風邪

【論治】 益気補腎、去風散寒







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