治療指針:生活提言


首肩が固まる:弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



気を使った後や旅行の後体調が悪くなること、そして肝気がゆるむ入浴中は調子 が良いことから、元来肝気を張り肝気鬱結(以後、肝鬱とする)になりやすいタ イプと思われる。肝気を張りやすいということは、自分の器の範囲を超えて活動 しがちであると言える。

また、子どもの頃油っこいもので胸焼けしやすかったようだが、現在も食後にお 腹が張ったり胸焼けがすることが時々あるなど、脾の器はそれほど大きくないの ではと推測される。

20歳で仕事を始めてから肩こりを感じるようになった。学生時代、問題なく過 ごしていたが、社会に出ることによって自分の器を超えて活動するようになった ため肝気を張り肝鬱となるが、座ってパソコンを扱うため気逆を起こし、肝鬱気 滞による肩こりとなった。もともとは便秘勝ちとのことであるが、脾の器が小さ いため脾気が損なわれやすい。また、肝鬱も脾気を損なう原因と考えられる。







28歳で結婚後は毎日飲酒を始める。この習慣により脾気は徐々に疲弊し、湿痰 が溜まるようになった。それほど本数は多くなかったが、喫煙の習慣は肺気をい ためる原因となり、31歳のとき、会社で他の人のタバコの煙が多かったことが きっかけとなり、湿痰も加わって喘息となってしまった。禁煙するが、湿痰は捌 かれることはなかったので、喘息は現在も続いている。

また、喘息があるにもかかわらず、風邪をあまり引かないという状況は、風邪が 内陥している可能性も考えられる。







40代、器の脆さが出始める時期でもある。腎気が落ち、生理痛がひどくなった り、生理不順になったりし始めた。40代前半には交通事故で肋骨を折って肺に 刺さり、肺の器を損傷したり、スキーで骨折や靭帯損傷をする。これらの回復は 加齢による腎気への負担に加えて、さらに腎気に負担をかけることとなった。

そして、49歳で肉体労働へ移動となった。ここで身体の疲労から腎気への負担 がさらに加速する。首のコリがひどくなったが、腎気が落ち、さらに肝気を張ら ないとがんばれなくなり、肝気を張ることによって肝鬱となり、さらに腎気が落 ちるという悪循環になってきたと思われる。

夜が辛いということからも腎気落ちが伺える。







そして、50歳6月に再びデスクワークへ移動となった。身体にかかる負担は減 っても、今度は職場のゴタゴタで精神的なダメージがあり、肝鬱からまたも腎気 を損傷することとなった。腎気の損傷は、肝腎同源である肝陰の不足となり、肝 陽をおさめることができず不眠となった。腎気の損傷は、朝起きるのが少し辛い ということにも表れているが、元来のがんばりで肝気を張り、根性で起きていた。

こうして、腎虚から全身の気虚がきつくなっていた。

腎虚のため陰虚熱が心をつき動悸がするようになった。

もともと脾の器が小さいため脾気が損なわれやすいが、腎のバックアップが減っ たことにより脾気も落ち脾の陽虚となり、下痢をしたり食欲が落ちた。こうして 脾気が落ちたことにより肝血が養われず、8月19日、ついに肝気がたたなくな ってしまった。肝気の中折れ状態である。がんばって肝気をたてようとしても、 全身の気虚がきついため気の偏在が強くおきてしまう。気逆して嘔吐となるが、 動くことができるまでは肝気はたたなかった。

休業中で仕事をしていなくても首肩こりがきついのは、気虚がきついため以前よ り強く気の偏在が起きてしまうからと考えられる。

なお、食欲が落ちたのに体重が5kg増えたというところも、腎気が落ち、引き 締める力がなくなってきたからと考えられる。




弁証論治



弁証:腎虚を主体とした全身の気虚

論治:益気補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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