治療指針:生活提言


左肩甲間部のしびれ糖尿病の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



22歳で社会人になり、1人暮らしを始めると食事はほぼコンビニ弁当となっ た。すると体重は増加し始め、20kg以上増え、35歳では糖尿病を発症すること となった。この時1ヶ月に15kg痩せるというきついダイエットを行い、返って 体調が悪くなったのでダイエットは中止した。ダイエットを止めるとすぐに体 重は元に戻ってしまった。ただ22歳で太り始めてから起こっていた肩こりが、 この痩せた1ヶ月間だけは楽になった。

仕事はストレスも強く、かなり肝気をきつく張って仕事をされていたことが推 察されるが、その肝気に侵されることなく、しっかりと食べた物を受け入れ身 にできていることから脾器はかなり丈夫であると思われる。そして仕事を頑張 るという肝気の張りが気逆を起こし、肩こりを引き起こすようになったと考え られる。1ヶ月という短期間ではあったが、痩せて肩こりが楽になったのは、 ダイエットのために行った運動が肝鬱を晴らしためであったと考える。

振り返ると、扁桃腺炎を起こしやすかったという子供の頃から、この気の上逆 しやすさはあったのではないか推察される。つまり子供の頃から肝気を張って 頑張る性格であり、気逆がきつくなると扁桃腺炎を引き起こしていたのではな いかと思われる。そして成人して器がしっかりするとますます肝気を強く張る ようになり、肝気はバリバリと仕事をこなす原動力になっていたが、肩こりを 起こすことになったと考える。







40歳でプロポリスの服用を始めると扁桃腺炎を起こさなくなった。ただプロポ リスの服用で肩こりは楽にはなっていないことから、肝気を張って気逆が起 こっている状況は変わっていないことが窺える。そうするとこのプロポリス は、気逆により引き起こされる上焦の熱による炎症を冷ますほどの強力な作用 は無いが、瘡を潤す効果はあるのではないかと考えられる。

この頃から疲れると右の坐骨神経痛が起こるようになる。これまでもきつく肝 気を張って肩こりを起こしつつも頑張ってこらたが、ここにきて腎気に陰りが 見え始め、腎気の虚損が疲れた時の坐骨神経痛として露呈するようになった。 こののちも肝気を張り、腎気を損傷するという悪循環の生活は続いていく。







48歳頃には主訴である左肩甲間部の痺れを感じるようになった。左肩甲間部の 痺れは夕方から夜に感じることが多く、寝て翌朝には無くなっていることか ら、疲れとの連動が窺える。また左肩甲間部をマッサージしても、その一瞬は 痺れがましになるが、またすぐ元に戻ることから、局所の気滞により痺れは起 こっているが、その気滞の裏には気虚があると考えられる。そしてこの局所の 気虚を回復できないベースには、これまで傷めてきた腎虚があると思われる。

また左肩甲間部の痺れが発症してからしばらくして、右手を挙げると右肩後面 に痛みが出るようになった。これも右肩を傷めたものがずっと治らず続いてお り、右の太陽小腸経の経絡経筋病が腎虚があるために回復しきれずにいると考 えられる。

47歳で転職して少し仕事が楽になり、50歳夏には出張も減り、以前と比べれば だいぶん精神的にも肉体的にも楽になっていると思われるにも関わらず、肩こ りはましにっていないことから依然として肝鬱の生活が続いていることが窺え る。若い頃は肝気を張っても肩こりだけで済んでいたが、年齢的に器が衰え始 め、腎気の回復が遅くなったことで腎虚が深くなりつつあり、そのため上背部 の痺れや痛みが治らないと考えられる。







お体を拝見すると、左手三里の弛み、左曲池の弛みと冷え、肺兪の弛み、厥陰 兪の弛み、左心兪の少し弛み、左外関の陥凹などから上焦の経絡の虚が窺え、 また腎兪・気海兪・関元兪の弛み、神闕の気の薄い感じ、関元のきつい抜け、 舌のきつい色褪せからは腎虚が意外と深いことが窺える。

一方、脾気は、経穴の状態や便通を考えると、かなりしっかりした器であるこ とが窺える。しかし35歳で糖尿病を発症し、高脂血症もあることから、脾器を 壊す前に食の摂生をするのが大事であると考える。




弁証論治



弁証:左陽明大腸経と右太陽小腸経の経絡経筋病、肝鬱、腎虚

論治:左陽明大腸経と右太陽小腸経の経絡経筋を補う、疏肝理気、補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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