主訴であるさまざまな不定愁訴(前頭部痛、肩こり、だるい、身体がほてる、眠い、疲れやすい、落ち込みやすい)は、22才の時に忙しくて食べられない、疲れて食べられないという状況で体重が10キロおちたときに出現している。
とても忙しい職場で、食事ができなかったこと、そしてその上、疲れてしまい食べられないという状況で、頑張って肝気をはって仕事をしていたため、体重が10キロ減ってしまった。
このときより、ほてり、前頭部痛などという陰虚熱を思わせる症状、落ち込みやすいなど心気の不足の症状、前頭部痛、肩こりなどの気逆を思わせる症状、疲れやすいなど腎気の不足を思わせる症状などが出現、これは心身共に体重が10キロも落ちてしまう状況のなか、全身の気陰両虚を引き起こしていたのではないかと思われる。
全身の気陰両虚であったため、心気の不足、脾気の不足、脾腎の陰虚からくる虚熱、気逆肝鬱がおこり、さまざまな不定愁訴の出現となってしまったが、 結婚を機に仕事をやめ、心身への負担が減り、体重が増えることで少しづつ回復、強い肝鬱がやわらぎ、脾腎の状態も少し改善し、症状も落ち着いた。
27才の妊娠は流産となったが、一定の肝鬱瘀血をはらすことにつながり生理痛がなくなり、固まりがまじらなくなり、その後体重がもう3キロふえたことでより状態が安定した。
現在でも、生理という腎気を中心に生命力に負担がかかっているときに、引っ越しなどがあり、より生命に負担がかかると、主訴である症状は以前ほどではないものの出現。また、 梅雨時や雨の降る前などに症状が出現することもあり、脾気の弱りから内湿が生じており症状を継続的にしがちになっているのではないかと思われる。そして内湿があるので、生命に負担がかかったときに生じる内熱と呼応し、肘の裏の湿疹、前頭部の頭痛、身体のだるさとなっているのではないかと思われる。脾気の養いを充実させ、心気もしっかりと養い、内湿の排出を促していくことが大切ではないかと思われる。
弁証:脾気を中心とした気陰両虚
論治:益気補脾 益気補陰
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