治療指針:生活提言


寝つきが悪い弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



子供の頃から寝つきが悪く、緊張すると下痢をしやすかった事から肝気 を張りやすい性格であり、肝気が横逆することで脾胃に負担をかける肝 気犯脾・肝気犯胃の傾向がみられる肝鬱体質であった。日頃から下痢を しやすかったことから、食べ過ぎでもあり、脾胃に負担をかける食生活 を送っていた。

中一の時に、部活を辞めた時に体重が65kgまで増えたが、その後身長が 伸び体重が減少、バランスがとれた体格となるが、これは、この時点で は脾胃はしっかりとしていて腎気も充実していたと考える。

20歳で胃潰瘍と十二指腸潰瘍になった。飲み会が続いていたと言う事だ が、小さい頃から食べ過ぎ傾向ではあったが、それよりも肝気を張りや すい性格だったため、肝気が横逆し肝気犯脾・肝気犯胃によるものが中 心であり、ここにきて脾胃の器を傷つけるほどになってしまったのでは ないだろうか。この胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、なかなか治らなかったと いうのも、肝気の横逆による脾胃への負担が続いていたためだと思われ る。

22歳で大学を卒業、SEの仕事に就いたが、残業が多く疲れていた。寝つ きの悪さは軽減された。小さい頃から肝気を張りやすい性格から、腎気 に負担をかけてきたのに加えて、残業が続いたため腎気の損傷が深くな った。よって、腎虚肝鬱が強まった状態であり、20歳からの潰瘍は肝気 の横逆がのレベルが高くなったため治らなかった。また、この時期に寝 つきがよくなったというのは、腎気の損傷が深くなった、つまり眠れる 方向性が強くなっていったためと思われる。潰瘍という傷をおった脾胃 を抱えながら心身酷使し続けていたので、ご本人の生命力は、薄氷を踏 むような綱渡りの状態であったのではないだろうか。







25歳で、エステの仕事に転職し早食いの傾向となったが、20歳から続い た胃潰瘍と十二指腸潰瘍はみられなくった。これは、転職によってSE時 代の肝気の横逆のレベルが低くなる。つまり肝気犯脾・肝気犯胃のレベ ルも低くなりよって潰瘍はなくなった。ということは、脾胃の器の傷を 回復できるほど、脾胃に生命力はあったと考える。また、肝気の横逆に よる脾胃への負担のレベルは低くなったが、早食いの癖がついた事で脾 胃に負担をかける食生活は悪化傾向となる。

28歳で、カフェイン飲料が原因で明け方まで眠れない体質となる。小さ い頃から、肝気をはりやすい肝鬱傾向のため寝つきが悪かった。SEの仕 事をし始めた頃からは、腎虚肝鬱のレベルが強まったが、腎気の消耗が 深く眠れる方向性が強くなり、寝つきは改善された。エステに転職後、 腎虚肝鬱のレベルが下がり、食生活の悪化もあり脾腎は弱っていく中、 カフェインという刺激に反応して寝れなくなった。という事は、肝鬱が 増して寝つきが悪くなったというより、肝の根である脾腎の虚によって 肝気が帰れず寝れなくなってしまったのではないだろうか。

30歳の頃から、お腹が張りやすくなった。エステに転職してから肝気犯 脾・肝気犯胃のレベルの低下し潰瘍は治った。しかし、早食いの癖がつ いて食生活は悪化した。この食生活を続けた事で、潰瘍を直す生命力を もつ脾胃でも食生活による脾気の衰えを回復させる事はできなかった。 よって脾虚はきつくなりお腹がはりやすくなったと思われる。

34歳の時に、鍼灸学校に入学。エステの仕事は辞めて、昼間は派遣社員 として働いた。学生と仕事の二重生活で心身を酷使、腎虚がきつく深く なっていった。下痢を気にしていたので、香砂六君子湯を飲み始めるが、 下痢の症状に変化はなかった。

35歳の夏、飲み会の後に夏バテを起こす。これが、きつい脾虚に負担を かける事になり、夏バテ直後は食欲が出なく食べる事ができなかった。 数ヶ月かけてだんだんと食べる事ができるようになったが、最終的に量 は夏バテをする前より少なくなった。小さい頃から食べ過ぎの傾向があ り、25歳のエステの転職を機に早食いの癖がついて食生活が悪化してい たが、この夏バテによって食べる量を減らす事ができた。よって、食生 活が少しだけ改善され脾胃への負担が減り、ご本人の脾胃の生命力の底 力によって徐々に回復し、体重も増えて元に戻っていった。







37歳、鍼灸学校を卒業。エステ&鍼灸のお店で働き始める。店長をしな がら他スタッフにエステを指導していた。食生活が少しだけ改善された が、脾虚腎虚はきつい状態であった。そんな中、店長という責任ある仕 事を任されたので、肝気をよりはらせようと頑張り肝鬱が強くなる。こ れが腎気にさらに負担をかけ腎虚が深くきつくなった。また、食生活が 少し改善されたが、下痢やお腹のはりは続いていたので、脾気も養われ ず脾虚はきついままだと思われる。これは腎気の消耗によって支えを失 ったため脾虚も消耗していったのでないだろうか。よって、脾虚腎虚は 深くきつくなっていった。

37歳の冬、帯状疱疹となる。この頃から、布団に入ってから1~3時間 ぐらい寝れない事が増えて、午後二時以降にカフェイン飲料を飲むと明 け方まで眠れなくなった。28歳の頃にカフェインの刺激に反応して明け 方まで眠れなくなったのは、脾腎の虚つまり根が弱りによって肝気が裏 に帰れなくなったからである。それ以降、根である脾腎がさらに弱って いった。鍼灸学校卒業後、店長として働く事によって頑張ろうと肝気を よりはったが、これによって根である脾腎の損傷が深くきつくなり、肝 気が裏に帰ることがより難しくなってしまった。よって、日頃から寝つ きが悪くなり午後二時以降にカフェイン飲料を飲んでも刺激に反応して 明け方まで眠れなくなってしまったと思われる。

帯状疱疹後、店長は辞めた。気持ちは楽になったが、37歳に起きた寝つ きの悪さ、カフェインへの過剰な反応は変わらず、疲れやすかった。責 任ある仕事から外れて気持ちが楽になったので肝気の張りは少し弱くな ったと思われるが、脾腎の根の弱りは養われるまでにはいたってなかっ たので、疲れやすく寝つきの悪さに変化はみられなかったと思われる。

38歳の8月と9月の間、水様便となった。腹痛はなかったが、食べたらす ぐに出てしまい、臭いもきつかった。元々、子供の頃から下痢をおこし やすかったが、形があることもあった。ここにきて、水様便が続いたと いう事は、脾虚腎虚がきつく深くなったことから気虚となり、夏の暑さ とクーラーが影響して夏バテとなったと思われる。







現在も、水様便が出る事があり、排便後に疲労感がある。排便は体の中 で起こる新陳代謝の一つであり、生命力を使った生理的な作用と考える が、排便後疲労感があるという事は、生理的な排便によって生命力も落 としてしまっている状態と思われる。継続して脾腎を損傷していながら もけなげに回復しつつなお、回復しきる前に再び損傷されて悪化傾向を たどっていると思われる。

鍼灸学校在学中の35歳の夏は、飲み会が起因して夏バテを起こしていた が、ここ最近は気虚が起因とした夏バテを起こしていると考えられる。 つまり、生まれながら肝気を張りやすい頑張り屋であったが、長年身体 を少し乱暴に扱っていった結果、夏の暑さにもついていけなくなるほど 生命力は損傷するにいたってしまい、気を使うだけでも疲労感を感じる ほどになってしまった。背中の経穴の表情も乏しくなってしまった。そ うなると、衰弱しきった状態なようにも思われるが、入浴という生命力 を使う作業の後すっきり元気になることができる側面もある。というこ とは、生命力の損傷の色は濃いが、ちょっと余力があると考えられるの ではないだろうか。




弁証論治



弁証:脾腎両虚による全身の気虚

論治:補脾補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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