治療指針:生活提言


体調維持したい弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



子どもの頃から活発で、ほとんど風邪も引かなかった。結婚し、出産・ 子育てをして、大きく体調を崩すこともなく48歳で閉経を迎えた。

50歳のとき、仕事内容が変わり、ストレスがかかった。

肩こりのため、鍼治療を受けたら軽くなった。肝気鬱滞していた部分が 払われたためと思われる。しかし、しばらくして再び鍼治療を受けたら、 今度は頭がふらふらして起きれなくなった。これは、前回と同様に肝鬱が 払われたが、今回はそれによって気虚が表面化したためと思われる。

そして9ヶ月仕事を休んだ後、打膿灸を受けたら、いっぺんに治った。

お灸で気が補われ、肝気が立つようになり、スッキリしたのだと推測される。

53歳では歯がぐらつき始め、少しずつ歯を失っていった。腎気の支えが 徐々に弱くなり、歯を保てなくなったのかもしれない。







58歳で、腰が痛くなり入院、再びストレスによる自律神経失調症と 診断された。腎気の支えが弱くなっているところにストレスがかかり、 再び肝気を張り続け、バランスを崩したのだと思われる。

この自律神経失調症の再発や、53歳で歯が抜け始めたことを考えると、 50歳のときに表面化した気虚は、深い状態で続いているように推測される。

しかしながら、ストレスから開放され、ある程度休めば、再び動けるように なれるのは、肝気の張り方とバランスの取り方が上手だからなのかもしれない。

68歳からは、パーキンソン病である夫の看病を一人で頑張ってこなして いたが、71歳になる頃には毎日夜中に2回起きてオムツを交換する等で、 相当疲れが溜まっていたと思われる。

その頃から、主訴の元となる右膝も痛み出した。

37歳のとき右の脛骨を複雑骨折、骨髄が流れ出るほどのひどいものであった。

当時は支障なく治ったようにみえたものの、実は治りきっておらず、 潜在的な弱さを抱えていたのではないだろうか。腎気も落ちてきた中、 夫の介護で足に負担がかかり、ついには弱い部位である右膝に痛みが 出始めたのだと考える。

72歳で、胆のう手術を受けたため、夫は施設へ預けた。73歳のときに 夫が死亡。そして74歳の頃から少しずつ体力が回復し、比較的元気に 活動できた。看病の負担もなくなり、自分の身体を治すことに専念できたため、 ある程度バランスを取り戻せたのではないだろうか。







ところが79歳になって、体力が落ちたと感じるようになり、下痢も続くように なった。腎気落ちがまた一段階表面化したように思われる。腎気による 脾気のバックアップが弱くなったため、下痢するようになったと考えられる。

80歳になると、右膝の痛みもひどくなってくる。耳も悪くなり、腎気落ちが さらに表面化し、気虚も進んだため、弱い部位である右膝のカバー力も 落ち、痛みがひどくなったのであろう。

81歳では、右足甲にしびれ・むくみが出たり、右足がだる痛くなったり、 右膝に水が溜まったりと症状が次々と出てくる。これらは(右膝の痛みも 含め)、37歳時の右脛骨複雑骨折・68歳頃の介護による使い痛みにより 引き起こされた経絡経筋病と考える。

この頃、下痢は薬で止まったものの、便の切れは悪かった。

85歳のとき、ハワイ旅行で歩きすぎたため、右膝の痛みがひどくなり、 ヒアルロン酸注射をしても、今までのようには効果が出なかった。

そのため、86歳で右の人工膝関節の手術を受けた。

87歳現在、体調も全体的に回復してきたと感じている。右の坐骨神経痛も 気にならなくなった。そして、便の切れの悪さも改善されてきた。 手術により右膝の痛みが改善され、坐骨神経痛の症状もなくなったため 経絡経筋病によるストレスは軽くなったと思われる。しかし、右膝の熱感は いまだ残っているため、経絡経筋病を治すべく腎気は使われていると 推測される。







50歳のときに表面化した気虚は、意外と深く、かつ持続していたため、 年齢のわりに腎虚も早めに進んでいたように推測される。その状態で、肝気を 張って生きているものの、大きく体調を崩したことが数回で済んでいるのは、 肝気の張り方と自身の器とのバランスが絶妙に取れているためと思われる。

全身の調子が回復してきたように感じる現在も、腎虚・深めの気虚は 続いており、右膝の熱感も残っているため、安心はできない。

まだ当分は、無理をせず、腎気を養う必要があると思われる。




弁証論治



弁証

気虚・腎虚、
右下肢:陰経・膀胱経の経絡経筋病

論治

補気・補腎、
右下肢:陰経・膀胱経の経絡経筋の補気







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