治療指針:生活提言


疲労が溜まると下肢が痛む弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



この方は、小学校低学年の頃からアトピーが肘や膝に出ており、肉体と しての器が充実していたであろう17~20歳でも、アトピーは変わらず 出ていた。そして20代では顔や手指にも出始めたことから、根強い アトピー体質であることが伺われる。







30歳では、仕事が忙しくなり生活も不規則になったことから、肝気、 腎気を消耗した。そのため生理痛がひどくなり、さまざまな高温期症状が 出現したと思われる。生理前の便秘も、肝気鬱結により便通が滞るように なったからと考えられる。また肝腎が弱ったため、上部に気が偏在しやすく なり、口が粘る・口が酸っぱい・口内炎ができやすいという熱症状も 出るようになったのだろう。そして、上部に気が偏在しやすくなったため、 相対的に下肢の気が薄くなり、めぐらせる力が不足し、滞り、むくみを 自覚するようになったのではないだろうか。アトピーが悪化したのも、 肝腎が弱り、上焦へ熱が浮きやすくなったからと推測される。

33歳では、新しい職場で体力的にきつい仕事を続けながら、初めての 一人暮らし、長い通勤時間、睡眠不足が続き、ここでも肝気、腎気を 消耗していった。高温期症状も悪化し、主訴である左下肢の痛みも出始めた。

腰痛も出るようになり、長く立っているときや生理中にふらつくことも あったことから、気虚気味だったと思われる。







35~6歳でも睡眠不足の生活は続いており、生理が始まると下痢を するようになった。腎虚が進むにつれて、脾気も弱ってきたと思われる。 この頃、アトピーが秋にどかっと悪化している。

37歳、今までの仕事に加え、整体院開業に向けて動き出し、ストレスも 増えた。肝気、腎気をさらに消耗し、気虚も深くなった。そのため、 風邪も引きやすくなったのだと思われる。

そしてこの頃ボイストレーニングを始め、腹式呼吸を意識していたせいか、 生理痛が軽くなったとのこと。もしかしたら腹式呼吸で下焦の気のめぐりが 助けられたのかもしれない。

38歳では、左下肢が今までよりも痛み、長く続いた。右膝内側、右母趾も 痛むことが増えた。腎虚が進み、気虚も深くなり、経絡経筋にも滞りが より出やすくなったと思われる。切診での、気海~関元のゆるい陥凹、 脉が全体的に輪郭甘めであったことも、気虚であることを表している。 ただ、この状態の中、顔のアトピーや便秘が軽くなり、体重も2kg減り、 身体が軽くなっている。因果関係は明らかではないが、この頃飲み始めた 乳酸菌サプリや、ボイストレーニングによる腹式呼吸の効果かもしれない。

また切診では上背部に風邪の反応が見られたので、現在風邪を引いている、 もしくは内陥している可能性がある。




弁証論治



弁証: 腎虚を中心とした気虚 風邪もしくは風邪の内陥

論治: 補腎・補気 風邪を追い出す







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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