治療指針:生活提言


筋腫摘出、不妊の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



初経の頃から生理痛があり、高校生の頃には排卵痛を時々感じるように なり、20歳頃から生理数日前に胸が張る。そしてこれらの症状は現在ま で続いている。10歳で初経が来ているので天癸が至るだけの腎器の成長 はあったのもの、これらの症状が成人して以降も続いていること、昔か ら寝つきが悪く眠りが浅く、寝起きが悪いことを考えると、腎気の弱さ が窺える。

通常の日常生活ではそれほど問題にならなかった程度の弱めの腎気では あるが、妊娠に通じる排卵する、高温期を維持するという日常生活以上 の負荷が掛かると、肝気が昂ぶりがちになり、上記のような生理にまつ わる症状が起こっていたと考えられる。

30歳頃から口の粘りを時々感じるようになり、胃もたれも感じるように なっているが、この頃から弱い腎気と肝気のバランスが少しずつ崩れ始 めていることが窺える。弱い腎気をカバーするように張る肝気が、気の 偏在をもたらし、上焦の熱となると口が粘り、横逆すると胃もたれを起 こすようになった。

33歳冬には、ひどい膀胱炎を起こし、膀胱の出口近くがジーンと痛い、 膀胱炎のような不快感・違和感、尿がそれほど溜まってないのにトイレ に行きたくなる頻尿などの症状が数か月続いた。同年春にはこれらの不 快症状のせいか、週に1~2回は夜中に目が覚めるようになった。色々な 病院に掛り、色々な薬を試したが症状は無くならず、同年初夏に猪苓湯 合四物湯と青汁を服用するようになり、徐々に症状が落ち着き始め、夏 にやっと症状が無くなった。







同年秋に結婚し妊娠を希望するようになり、翌年には複数の子宮筋腫を 摘出し経過は良好で、不妊の基本検査も問題は無いが、36歳現在なかな か妊娠することができない。

この方の素体としての弱い腎気を20代から繰り返している膀胱炎と合わ せて考えると、特に下焦の弱さが顕著であり、そのため下焦に気虚気滞 を起こしやすく、膀胱炎を繰り返したり、筋腫ができたり、筋腫を摘出 しても生理に塊が混じったり、痔ができたりしているものと考える。そ してこの下焦の弱さが、妊娠のしにくさにも通じていると考えられる。

20代の頃から膀胱炎を繰り返しているが、今は青汁を飲むことで対処し ている。膀胱炎の症状を考えると、青汁が膀胱の熱を冷まして症状が無 くなっているように考えられる。20代の頃から膀胱炎になり、30歳から 肝鬱気逆が症状として現れはじめ、30代に入ってからは膀胱炎の頻度が 増えていることを考えると、気の偏在による下焦の弱りが進んでいるの ではないかと考えられる。このように考えるとこの方の膀胱炎の症状は 下焦の虚熱の可能性が高く、膀胱炎になった時は青汁で症状を冷まして 取る対処療法も必要だが、膀胱炎になりにくくするという観点からは腎 気を補い下焦をしっかりさせることが大事であると考える。







切診情報からも、季肋際つまり、大腿胆経のきついつっぱり、心下の 塊、足の皮膚の緩み、裏肝の相火あり、三焦弛みの大きな陥凹、復留や や冷えと腎虚肝鬱気逆が窺える。

青汁を飲むと直後効果を感じるということから、清熱の作用が強いので はないかと思われ、薬ではないものの胃に入るものであることから、胃 にも清熱作用が働いているのではないかと考えられる。そのため、結婚 後は運動や食事バランスが良くなって脾胃に良い習慣になったと思われ るにも関わらず、35歳以降胃もたれがきつくなっているのは青汁が影響 している可能性もあるのではないかと考えた。切診情報からも左脾兪陥 凹トップ、右胃兪陥凹、足三里大きな陥凹、公孫陥凹、舌中央の裂紋な ど脾胃も案外弱っていることが窺える。

また右合谷冷え、大杼発汗と少し風邪が入り込んでいることも窺え、こ れがいつの風邪かは不明だが、身体に負担を掛け、気逆を強めている可 能性は考えられる。




弁証論治



弁証:下焦を中心とする腎虚、風邪の内陥

論治:補腎下焦、去風散寒







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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