八綱弁証は、一元の気である身体を、表裏(病位)・寒熱(病勢)・虚実(病情)という三つの観点から陰陽論的に把握しようとする方法です。
基本的には、表寒虚・表寒実・表熱虚・表熱実・裏寒虚・裏寒実・裏熱虚・裏熱実という八種類に分けられることからこの名前があります。
しかし、この分類方法が余りにも大雑把で、治療には直接役立たないため、主として湯液関係でいくつかの方法が考案されました。
主として急性外邪性疾患に対する弁証方法が、六経弁証・衛気営血弁証・三焦弁証です。
また、主として慢性病を考える上で臓腑の病理を中心として、蔵象学が発展してきました。
一元流鍼灸術においては、これを臓腑経絡学としてまとめています。その際にこの八綱弁証を適用するなら、
表裏(病位):全体の問題か部分の問題か。どの臓腑経絡に問題があるのか。その及ぶ範囲はどこまでか。
寒熱(病勢):悪化傾向にあるのか、緩解傾向にあるのか。その速さはどうか。
虚実(病情):生命力の虚が中心となるのか、邪気の実が中心となるのか、両者が交錯しているのか。
ということになります。
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