婦人科学という題名を読むと、男性の病気とはなんら関係がないのではないかと思われるかもしれません。けれどもそれは間違いです。
全身的な身体の変化の状況に関する男女の違いを把握するならば、男性の治療の際における弁証論治にも応用できます。
男性の弁証が中医学において繁雑になりすぎていることを考慮するならば、この婦人科学を学んで一元の身体の変化状況を把握することのほうがはるかに利便性が高いともいえるでしょう。
それでは、男性の場合と女性の場合との身体の変化において注意すべきところはどこにあるかといいますと、それは、女性の場合のほうが変化の振幅が大きいということです。
それは、月経と妊娠という子宮の変化によってもたらされるものです。
男性においては、病的状態となるような月経に沿った女性の身体の変化、死に瀕するほどの重病ともいえる妊娠による女性の身体の変化。その大きな振幅を乗り越えて女性は生活しています。
つまり、軽度の病状については月経前後の体調の変化に学び、重度の病状の変化については妊娠前後の体調の変化について学ぶことができるということです。
以上のことに留意しながら、婦人科学を読んでいくならば、男性の病態把握において、大きな示唆を得ることができるでしょう。
本文は《中医婦科学》〈成都中医学院婦科教研室編〉〈人民衛生出版社刊行〉の中から訳出しました。
本書は、臓腑・経絡・気血が、婦人科の特徴である生理・妊娠・出産・授乳と どのように関わっているのかということについて述べています。
翻訳調にならないように注意しながら訳出してあります。
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