閉経前後の諸症の弁証







閉経前後の諸証の弁証のポイント



閉経前後の諸証の弁証は、腎陰虚と腎陽虚を中心として行います。







腎陰虚のものの多くは、高熱を発し・顔面が紅潮し・潮熱・発汗・ 手足が激しくほてる・小便が黄色く量が少ない・口が乾燥して便秘すると いった症状を呈します。また、月経が早くなり、経血の量は増えて崩漏の ような状態となったりします。経血の色は鮮紅色か深い紅色となります。 舌は紅く、舌苔は少ないか無苔で、その脉状は細数です。

腎陽虚のものの多くは、腰脊が冷え痛み・四肢が厥冷して寒さを畏 れ・小便は透明となり・下痢あるいは五更泄瀉〔訳注:夜明け前の下痢〕 となります。月経は遅れがちとなり、経血の色は淡くその質も稀薄になり ます。また色が白く質が希薄な帯下の量が増えることもあります。その舌 質は淡白で胖嫩があり、舌苔は白で、その脉状は沈遅です。







上記のことを基にして、その患者さんが陰虚であるのか陽虚である のかということをまず明確にしていきます。その後、兼証〔訳注:ともに 現われている症状〕に基づいて、それが心腎の問題が中心であるか、肝腎 の問題となるか・脾腎の問題であるかということを鑑別し、証に従って治 療していくわけです。









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