帯下の弁病弁証のポイント




帯下の病とは、帯下の量が明らかに増加し、その色・質・気味が異 常となり、それに伴って、全身あるいは局所の症状が現われることを特徴 とする疾病を指しています。ですから帯下の病を弁証するということは、 主として帯下の量・色・質・気味およびその兼証、それに舌や苔および脉 象といった観点から、その証を判断していくことになります。







白帯の量が多く、その質は希薄で臭いがなく、腎虚の証候を兼ねて いるものは、腎虚によって下元がしっかりしていないためにおこっている ものです。

白帯の量が多く、その質が粘稠で臭いがなく、脾虚の証候を兼ねて いるものは、脾虚によって湿が下に降りてきているものです。

米のとぎ汁のような帯下であったり、灰白色で痰のようであったり、 おからのような帯下で穢臭があり、陰部に痒みを覚えたり、耐え難い痒痛 を覚えるものは、多くの場合、湿熱によるものか感染によるものです。







多量の黄帯が出、その質は清稀であるかあるいは粘稠で、臭いがあ り、脾湿肝熱の証候を兼ねているものは、多くは湿熱によるものです。

多量の赤白帯が出、その質は清稀であるかあるいは粘稠で、ときに 臭いがあり、陰虚の証候を兼ねているものは、多くは陰虚による湿熱です。

膿色の帯下で血が混ざり、臭いがあり、湿熱の証候を兼ね、少腹部 が痛んだり発熱したりするものは、多くは湿熱か湿毒によるものです。

血のような帯下でありながら血ではなく、膿のようで膿ではなく、 その質が清稀で悪臭がし、形体が非常に衰えてきているものは、多くは悪 性の癥瘕があり、潰瘍が隠されています。









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