下焦精蔵




下焦精蔵とは腎のことです。そもそも医を学ぼうとするのであれば、先天の五臓の生じる本および自身の胎がどこから来たものなのかということをよく理解しておかなければなりません。(ひそ)かにその本始を論じてみましょう。

万物においてその形が生じる始めは、天一の真水が凝集することによります。ですから受胎が生じる始めも、父の精が凝集することによります。腎は下焦に位置し脊の十四椎の両傍に付いてその形は豇豆(ささげ)のようで、天一の真水の精を蔵畜して〔訳注:蔵して蓄めて〕います。ですから諸臓の中にあって、腎は生胎の源・人身の根本とするわけです。

よって、この弁は先ず下焦精蔵を論じることから始めましょう。



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