下焦精蔵 第四節 陰虚脱肉




真陰虚羸(しんいんきょるい)の人は、全身の肉がすべて脱して痩せ細っています。腎臓の精液が不足したため、全身を潤している液が腎に奪われてこのようになっているものです。たとえば、深い淵をもつ流れの、その淵まで水が満ちていれば外の流れが減ることはありません。けれどもその淵の水が不足すると、流水がすべてその深淵に流れ込んでしまい外の水流が減ってしまうようなものです。不足している腎に、全身の津液がすべて吸い取られて、外形を潤養する〔訳注:潤わせ養う〕余裕がなくなるわけです。このため、日々皮肉が乾き痩せていくわけです。



一元流
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