下焦精蔵 第五節 五液属腎




諸気は心に属し、諸液は腎に属します。五液の源は腎にあります。肝は(あな)を目に開き、肺は竅を鼻に開き、脾は竅を口に開き、腎気は舌下の唾竅(だきょう)に通じ、汗は心が主る所の血液の化です。ですから涙は肝の液、涕は肺の液、唾は腎の液、津は脾の液、汗は心の液とします。これらはその液の、それぞれが泄れる位置によって分けています。

これらすべてが源とするところは腎にあります。たとえば河 海 井 谷 (とく)〔訳注:水路〕 池などで水は分けられますけれども、実はただ一つの水の流れなのです。

また気も同じことです。肺にあれば肺気とし、脾にあれば脾気とするわけですが、その(もと)は心にあるわけです。太陽と星とは異なりますけれども、実はただ一つの陽気にすぎないわけです。



一元流
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