妊婦が患う悪阻の理由は何でしょうか。
妊娠している婦人は、その子宮の中にいつもは存在していない男精を留めています。そして血海の精血は浮き溢れて、内の気はいつもと異なりざわついています。このため悪阻を患うわけです。
血海の精血が浮いて逆すると吐逆します。精胎の気が緩んでいるときはそれを収斂させようとして酸を好みます。精胎の気が急な〔訳注:引きつる〕ときは、それを散じようとして辛を好みます。けれども日を積み月を重ねていくと、子宮の精血が定まり、悪阻もまたなくなります。治療する必要は必ずしもありません。
| 医学三蔵弁解 | 前ページ | 次ページ |