肝中心






これに対して、人が意志をもって生きているという観点から、その意志〔注:魂〕を代表させるものとしての肝気の重要性に着目して見通された身体観がこれで、小天地として人体を見ると、非常に見通しやすい観点です。

木〔注:肝〕が大地〔注:脾〕に根ざし水〔注:腎〕を吸い上げ天〔注:肺〕に枝を伸ばして太陽〔注:心〕を浴びている姿が見通されていきました。







肝には陰陽があり、地中の根の部分は肝陰。地上に出ている幹と枝葉は肝陽と考えます。宇宙に天地が存在し、その天地の間で天地をつなぐものとしてある人間、一が二を生じ二が三を生じ三が万物を生ずるという天地人の三才という概念における「人」の、身体内における「人」として肝を見ることができます。

また、肝は魂、精神的な意志を代表させますし、剛臓と呼ばれる強力な臓器であるため、肝気が暴れることで脾胃が痛められたり、腎水が涸竭したり、肺金が灼かれたり、心火が盛になったりします。

肝はこのようにさまざまな激しい症状を起こす基となりまた、症状を増強させる基となります。そのため、この肝を中心とした身体観は、実際の臨床においても非常に使い勝手のよいものとなっています。











一元流