奇経

『任脉の別は名づけて尾翳といいます。鳩尾を下り、腹に散じます。』《霊枢・経脉》

『督脉の別は名づけて長強といいます。膂を挟み、項を上り、頭上に散じ、下って肩胛の左右に当たり、別れて太陽に走り、入って膂を貫きます。』《霊枢・経脉》

奇経には、任脉・督脉・衝脉・陽蹻脉・陰蹻脉・陽維脉・陰維脉・帯脉の八脉があります。

これは、一元の気を陰陽五行の観点から把えて病因病理を考え、臨床に向かっていく一元流鍼灸術の身体観を一度さらっと捨てた上でもう一度一元の観点から身体を見直し四種類の陰陽（任督：陰陽の蹻脉：陰陽の維脉および衝脉帯脈の縦横）で把えなおしたものです。

奇経はいわば、一元流鍼灸術を基礎として、それを身に着けた後に挑戦していく、ひとつ異なった観点の場所ですから、これ以上ここでは触れないことにします。