総説





臓腑の問題は、五臓に還元され、五行論の範疇として語られます。人身という一元の気の場を、五という観点から眺めなおしていると言い換えることができます。

経絡には正経と奇経とがあります。正経は臓腑の気を受けたもので、奇経は正経の気が溢れ出たものです。

この臓腑と経絡とを統合して考えていくところから、臓腑経絡学という概念が生まれました。






この臓腑経絡学は、陰陽五行に対する観念的な解釈と、解剖や臨床を通じて観察しながら実際の五臓の機能などを観察することとを対応させることによってその理論ができあがっています。

また、東洋医学には長い年月にわたる蓄積がありますので、書物の量も厖大です。その文字の糟粕に目を奪われないよう、しっかりと実際の身体の気の動きを観察し、そこから理論を紡ぎ出していくという姿勢が必要となります。

その際、参考になるものが、ただ一つの生命をばくっと大きな流れの中で把えなおす観点です。陰陽五行の理論はそのために使われます。陰陽五行におけるバランスのとり方を眺めていく中から、実際に生きて動いている患者さんの身体を、一つの小さな時空の流れとして把えていくわけです。






臓腑経絡学の項目は、詳細かつ実際的な記載になります。もし文字の糟粕に溺れそうになったら、ここ、一元の気を二つの観点から見、五つの観点から見るのだというところへ帰ってきてください。











一元流