第三診


腰痛の弁証論治(二診)




本日は雨。



前回処置後の話



昨日はもう治ったのかと思うほど楽だったが、今日はまた腰痛が出ている。初診時の治療後のレベル。

3月下旬に、痛風となり医者に行ったところ、尿酸値はそれほど高くないので、生活習慣の改善だけでなんとかしようということになっているとのこと。

また、ビールは毎日三本以上は飲んでいた(飲み屋さんと家で)が、痛風になって以来肉と酒を控えている。

20代のころにぎっくり腰をしたが、治療はしなかった。

せっかちなので、いつも時間を気にして行動しているとのこと。

イライラしているとすれば、パソコンがうまくいかずに三時間も経ってしまったことか・・・




処置前



【舌診】

淡紅舌薄白苔。左の肝の診処が剥苔。見事!!!赤みはそのままだが歯痕はきつい。



【脉診】

中位にきれいに締り、そろっている。前回見られた右尺中沈位の動脉や、左関上中位から浮位にかけての弦急脉は見られない。



【経穴診】

右の足三里に熱感

右の神門に実(深いところにある筋張り)

肺兪風門には問題は見られない。

右の腎兪三焦兪胃兪。三焦兪がトップで二つに割れている。三焦兪を頂点として脹れた感じになっている。督脉の緩んだ感じはほとんどない。

左太巨の冷えはない。




処置1



右の三焦兪(金)・胃兪・腎兪(16分置鍼)




処置1後



左関上浮位に弦脉が出ている。

右足三里の熱は取れない。右神門の実も取れない。舌の剥苔は変化ない。




処置2



右神門実とり(銀の鍉鍼)

右足三里実とり(銀の鍉鍼)




処置2後



神門の実はあえなく取れる。

右足三里の熱が取れ左足三里の熱のほうが強く感じるようになる。

剥苔は変わらず。

もしかすると、足三里に大きな問題が出てくる前徴かもしれない。




考察



前回腎虚ということでシンプルに治療し、かなり著明な効果を挙げえたのに対し、今回はあまりに大きな身体の変化に対して驚くとともに、腎虚だけで押すことが無理なのではないか思うほどでした。

このように身体状況が大きく変動する理由は、初診時でも問題となった気虚が、実は想像以上に大きく絡んでいるのではないかと考えることができます。

またあるいは、前回の治療によって腎気が立ち直り督脉を締めたところに気欝の材料(パソコンの操作)があったために、剥苔を呈していると考えることもできます。

脉状がいいということから考えると、気虚と気滞とが両方兼ねあって剥苔を呈しているけれども、実はこれはそれほど本質的な深い問題ではないのではないか。

気虚が中心の問題であるとすると、睡眠状態にもっと異常が出てしかるべきでしょうし、便通や食事にも異常が出てくるはずですが、それがないわけですから、要は、器以上に豪傑の食事と運動をやったために、一時的に器が小さくなって腰痛や痛風を出したに過ぎないのではないかと考えるべきでしょう。











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