『難経』の脉診部分、22篇に使われている身体観を分類し、量的な比較をしました。難経全体ではなく難経の脉診部分を選択した理由は三点あります。
1、寸口の脉診部位を全身の縮図としている。これは『難経』の作者が寸口の部位を小宇宙として自身の身体観を象徴的に表現しようとしていることを意味しています。
2、二十二篇全体として、全体観をもってバランスよく書かれています。
3、個々の篇で使用されている身体観が一つであるため、量的に比較しやすくなっています。
以上の点から、寸口の脉診について記載されている22篇を用いることとしました。
具体的には、寸口脉診の記載を以下のような項目に分類しそれぞれの篇を要約した後、黄老道・讖緯説・仏教のそれぞれの身体観を当てはめまていきました。
もう一度まとめておきます。
黄老道:人身を一小天地として陰陽五行の観点からみているもの
讖緯説:陰陽五行を超えて抽象化され複雑になっているもの
仏 教:腎間の動気を中心とした気一元の身体観
次に、具体的な作業の概要を記しておきます。
【背景】『難経』には仏教と讖緯説という新たな身体観が包含されている
|
|
|