考察

『難経』は仏教の身体観を包含していた
―『難経』における身体観の量的分析



【結果】黄老道の身体観を中心とし、仏教の身体観をも多く取り入れている



結果

上の円グラフで示されているように、当時の身体観である、陰陽五行をもとに身体の構造を把握しようとする黄老道の身体観は二十二難のうち十八難に及びます。このことからも『難経』は黄老道の身体観を基本として踏襲しているということが分かります。

前漢末期に隆盛となった讖緯学説は第七難で触れられているだけですが、仏教の身体観は第八難・第十一難・第十四難とより多くの難で触れられています。

これらのことから、『難経』は伝統的な黄老道の身体観を中心としながら、仏教の身体観をも多く取り入れていると言えます。







【目的】『難経』の身体観の量的分析

【背景】『難経』には仏教と讖緯説という新たな身体観が包含されている

【方法】難経脉診における身体観の量的な比較

【実際】詳細は附録資料を参照のこと

【結果】黄老道の身体観を中心とし、仏教の身体観をも多く取り入れている

【考察】仏教に基づいた身体観の大いなる飛躍が『難経』の特徴

【派生的考察】『難経』が開いた仏教の身体観は日本で開花した

【用語解説】黄老道・讖緯説・仏教

  注1:『道家思想の起源と系譜』―黄老道の成立を中心として―

  注2:魏書 釈老志

  注3:後漢書 巻四十二 光武十王列伝 楚王英伝

  注4:『難経』が書かれた時期は紀元後100年前後

  注5:仏教の伝来時期とその身体観:楚王英とその周辺を中心に

  注6:左腎右命門を臍下丹田と解するのはなぜか

  注7:『不老不死の身体』

参考文献:使用している『難経』の主な版本











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