眼目の病




一、人に両目があるのは、天に太陽と月とがあるようなものである。

目によって万物を見ることができるのであるから、目は人体の中でも非常に重要な部分であると言えよう。

目の病気には七十二種類あると言われているが、ここではそのあらましを記すこととする。

一、光彩は肝が主り、内眥は心が主り、眼瞼は脾が主り、白睛は肺が主り、瞳子は腎が主る。 三陰交・風門・手足の三里・百会・肩井・肝兪を用いるとよい。

一、目がかすみ渋って開き難いものは、 睛明・肝兪・合谷を用いるとよい。

一、目に風があたると爛れたような感じになり涙が出るものには、 睛明・攅竹・二間・絲竹空を用いるとよい。

一、目に風があたり、腫れ痛み弩肉が出てくるものには、 睛明・攅竹・肝兪・委中・合谷・列缺を用いるとよい。

一、目が急に赤くなって腫れ痛むものには、 迎香・攅竹・合谷を用いるとよい。

一、目が赤くなって痛み涙が出て止まらないものには、 攅竹・合谷・臨泣を用いるとよい。

一、目が赤くなって痛むものには、 承漿・百会を用いるとよい。

一、さかまつげには、 睛明・瞳子髎を用いるとよい。

一、目が痛むものには、 肝兪・中脘・石門を用いるとよい。







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