九鍼の図






一、鑱鍼




鑱鍼

その頭は大きく尖は鋭い。巾鍼に基づいている。尖の半寸を徐々に鋭利にしたものである。長さ一寸六分。熱が頭や身体にある者を治療する場合にこれを用いる。





二、員鍼




員鍼

鍼体を筒状にしてその尖端を卵状にしたものである。絮鍼に基づいている。長さ一寸六分。分肉の間や、気が身体に満ちているものを治療する場合にこれを用いる。





三、鍉鍼




鍉鍼

鍼体は大きく尖端は円やかなものである。黎粟の鋭さを真似る。長さ三寸半。脉を見て気を取り邪気を出させるようなものを治療する場合に用いる。





四、鋒鍼




鋒鍼

鍼体を筒状にし尖端を鋒状にしたものである。絮鍼に基づいている。長さ一寸六分。癰熱や出血させるときに用いる。《霊枢・九鍼十二原》には、『三隅を刃にして痼疾を発す』とある。





五、鈹鍼




鈹鍼

その尖端は剣尖のようであり、大膿を取る。巾二寸半、長さ四寸、大癰膿や両熱の争うものを治療する。





六、員利鍼




員利鍼

尖端は釐のようで円かに鋭くしている。鍼体を大きくし鍼柄を小さくしている。釐鍼に基づいている。長さ一寸六分。癰痺を取るのに用いる。





七、毫鍼




毫鍼

尖端が尖り蚊虻の針のようである。毫毛に基づいている。長さ一寸六分。寒熱痛痺が絡脉にあるものを取るのに用いる。





八、長鍼




長鍼

鍼体を長くして尖端を鉾状にする。綦鍼に基づいている。長さ七寸。深い邪や遠い痺を取るのに用いる。





九、大鍼




大鍼

その尖端は少し円やかにする。鋒鍼に基づいている。長さ四寸。大気が関節から出ないものを治療する。








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