風は春の主気です。生命が大地から溢れるように生み出されていく時期の、大いなる生長と変化を主ります。風は触れるものの状態を変化させますから、これ以外の五気すべてが風と結びついて世界を流れています。

風が吹くということは浄化と変化(秩序の破壊)とをその場所にもたらします。これに対して風が止むということは腐敗と停滞(秩序の温存)をその場所にもたらします。

風のこの大いなる変幻自在の力を尊んで、風神などと呼ばれたりします。

風は成長を促進させるとともに破壊を促進させます。変化をその特徴としています。人は生きている限り成長していきます。成長とは、日々破壊されてもなおそれを修理し改善し自身の器に取り入れている状態(死んではいない状態)、であるともいえます。

風はさまざまな磨き粉を携えて、人に挑んでくるわけです。これをもって風を「百病の長」と呼ぶか、「変化の神」と呼ぶかは、その器の違いによるものです。











一元流