瘀血






瘀血は日本では有名な言葉で、血液の汚れといった意味で使われていることが多いですが、これは実は内湿の問題として考えるべきところです。血という文字が入っているため、こう解釈してしまったのでしょう。

瘀血が内生の邪として形成されるには、大きく分けて二つの方向があります。

そのひとつは内的なバランスを崩したために自然に生じてくるものです。その原因には、気虚・気滞・血寒・血熱などがあります。総じて血の流れが悪くなったために血が一定の部位に停滞し、邪気となっている状態です。

もうひとつは外傷や打撲などによってできる、「あおじみ」の類です。







瘀血が非常に問題とされる理由は、その存在が気血のめぐりを非常に悪くするところにあります。しかしその強い症状が、いったん瘀血を取り去ると気血のめぐりが一気に回復されるために症状がすっぱりと取れる可能性があるということもまた、治療家の耳目を引くところです。

瘀血は基本的にはある一定の局所に止まって気血の流れを閉鎖するような邪気となったものです。ですから、それが全身情況に影響を与えるものであるか否か、ということは、瘀血が形成されている部位と期間とによります。その特徴は刺痛、夜間痛、部位が移動しないということです。

また、より深い臓腑を侵襲するように瘀血が形成されている(のではないか)と考えられる場合もあります。それは、全身状態は元気に見えるのに激烈な症状を呈している場合や、気血の阻滞のレベルが高く、臓腑の機能を阻滞しているものがあるために他に症状が出ているのではないかと考えられる場合です。これは少腹急結などの腹診で予測したりします。西洋医学的な外科手術を希望したい場合もあります。











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