治療指針:生活提言


不妊、生理前の不調の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



10代の後半に最初のぎっくり腰を経験する。それ以降も何度かぎっくり腰を起こし、20歳を過ぎてからは毎年冬に1~2回ぎっくり腰を起こすようになった。

この頃から急に太り始めて、20代になっても体重はあまり減らなかった。仕事を始めてからは忙しく、食生活も乱れ、夜食、間食も多かったこともあり、脾気、腎気ともに損傷があった可能性が考えられ、その腎気の損傷のためにぎっくり腰を毎年繰り返すようになったと考えられる。

冬に突然起こるぎっくり腰以外では、普段は症状としては現れない腰の弱さだが、肝気が立ちやすい生理前になると腎気の土台の弱さが露呈し、生理前の腰痛となって現れるようになったと思われる。また冬にぎっくり腰を繰り返すのも、一段と腎の陽気が落ちる季節であることが関係していると思われる。

20代後半からは生理前に胸のはり、頭痛、吐き気、腰痛、足のむくみなどの不調がいろいろ出始める。ずっと仕事が忙しく、腎気の損傷が大きくなり、そのために高温期になると肝鬱になる度合いも強くなり、生理前の気逆に伴う色々な症状が強く現れるようになったと思われる。







32歳の結婚を機に仕事を辞め、パートで仕事をするようになり、時間的に余裕ができ、体重が減ったこともあって、体が楽だった。生活全般において無理が少なくなり、脾気、腎気ともに損傷を繰り返す悪循環は無くなったものと思われる。

しかし子供を望むようになって基礎体温を付けるようになり、高温期への移行に日数がかかり、上がった高温期もそれほど長く続かずに下がり始めるというように、あまり腎気がしっかりしているとは言い難いことが基礎体温にも現れている。20代で損傷した腎気の回復がいまいちであることは、生理前の色々な不調が悪化はしていないが、よくもならず相変わらず続いていることからも窺える。

34歳になり、始めての不妊治療で、ホルモン薬の服用により、基礎体温は大きく乱れ、その周期は生理が来るまで下腹部が張って辛く、次周期も生理痛がいつもよりひどかったという事態になった。これは、妊娠するためとはいえ、ホルモン治療で一時的に身体への負荷が大きくなったことにより、腎気が大きく損なわれたために起こったと思われる。







ここで身体を拝見すると、左三焦兪の弛み、右次リョウの弛み、右環跳の弛み、右臀部が左より力ない感じというように、腎気の弱さ、ぎっくり腰を繰り返しやすい場としての弱さが窺える。ここでぎっくり腰の状態について考えると、ぎっくり腰は慢性的な腰痛にはなっておらず、全身的な体調の変化ともあまりリンクせず、今回のホルモン治療によっても生理前の腰痛がひどくなってはいない。つまり、この繰り返すぎっくり腰は、右臀部の経絡経筋病としての場の弱さが要因として大きいと考える。

また、脾募の大きさ、足三里の大きさ、脾兪・胃兪の弛み方、白腐苔気味などかなり脾気の虚損が目立っている。間食をしたり、1回の食事量は多いかもと本人が言うように、不摂生による脾虚の可能性が大きく、この脾気の落ち込みが腎気の回復の足をひっぱていると考えられる。

腎気の虚損状態が続いているためか、性格的なものか、かなり肝鬱もあるようで、ヨガで汗をかいて発散すると、肩凝りをはじめ体全体の凝り感がスッキリするとのことである。このヨガでそれほど疲れることも無く、返ってお通じも付くようなので、うまく発散されて、養生になっているように思われる。




弁証論治



弁証:腎虚、右少陽胆経経の経絡経筋病

論治:補腎、右少陽胆経の温補







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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